2026年8月31日の時点で、9月10日(木)京セラドーム大阪『ANGEL CHAMPAGNE presents 超RIZIN.5 浪速の超復活祭り』に出場予定だった冨澤大智(28=FIGHTER’S FLOW)の対戦相手は、まだ決まっていません。

ドンマイ川端が左眼窩底骨折・全治2〜3か月で欠場し、RIZIN公式サイトは8月29日付で「試合中止のお知らせ」を出しました。本番まで、あと10日です。

「冨澤に関しては、相手を精一杯探します。京セラドームでドンマイとの試合が流れて、それでも冨澤の試合を組む意義のある、意味のある選手を、残り10日ちょっとありますからギリギリまで探します」(榊原信行CEO・8月29日)

欠場そのものについては前の記事に書きました。この記事で書くのは、そこでは触れなかったことです。

冨澤大智のMMAデビュー戦もまた、他の選手のケガでカードが組み直しになった、その中から生まれた試合でした。欠場に振り回されるのは、今回が初めてではありません。

MMAデビュー戦は、2人のケガで組み直されたカードから生まれた

2024年12月31日、さいたまスーパーアリーナ『RIZIN DECADE』。朝倉未来の推薦選手と平本蓮の推薦選手が6試合で戦う対抗戦「雷神番外地」が組まれました。

その12月22日の発表会見で、朝倉未来はチーム編成についてこう話しています。

井原良太郎くんやジョリーはケガで出られなくてちょっとカードに苦労したけど、ここに来てくれた選手たちが男気を見せてくれました」

この「来てくれた選手」6人のうちの1人が冨澤大智でした。相手は三浦孝太、ルールはMMA特別ルール(5分2R・63.0kg契約)。結果は1ラウンド1分53秒、左膝蹴りでKO勝ちです。

これが冨澤にとって初めてのMMAの試合であり、いまも彼のキャリアでいちばん速い勝ち方です。試合後のマイクで「RIZINのフライ級でMMAに挑戦したい」と言い、そこから今のキャリアが始まりました。

その11か月前、冨澤は「欠場する側」だった

順番を戻します。2024年1月、冨澤はBreakingDown11のバンタム級王座決定トーナメント準決勝を、ケガで欠場しています。前年大みそかの『RIZIN.45』で篠塚辰樹とキックルールで戦った際の負傷でした。このとき冨澤の代打で入ったのが西島恭平で、対戦相手は井原良太郎でした。

並べると、こうなります。

時期 冨澤の立場 何が起きたか
2024年1月 自分が欠場した ケガでBreakingDown11のトーナメント準決勝を欠場。西島恭平が“代打”で井原良太郎と対戦
2024年12月 組み直されたカードに入った 井原良太郎とジョリーがケガで出られず編成に苦労したチームに参加。三浦孝太に1R KO勝ち
2026年8月 相手が消えて待つ側 ドンマイ川端が眼窩底骨折で欠場。対戦相手は未定

欠場をめぐる3つの立場を、冨澤は約2年7か月のあいだにひと通り経験したことになります。ちなみに上2つには、どちらにも井原良太郎の名前が出てきます。冨澤とこの階級の周辺が、いかに狭い世界かがわかります。

MMAの5戦は「○×○×○」|まだ一度も連勝していない

そのうえで、消えた9月10日がどれくらい大きい試合だったかを数字で見ます。

日付 相手 結果
2024年12月31日 三浦孝太 1R 1:53 KO(左膝蹴り)
2025年5月4日 山本アーセン × 2R 1:24 リアネイキッドチョーク
2025年9月28日 平本丈 判定2-1
2025年12月31日 篠塚辰樹 × 2R 3:22 TKO
2026年6月6日 加藤瑠偉 1R 4:37 TKO(肘打ち)

勝ち・負け・勝ち・負け・勝ち。きれいに交互です。MMA5戦で、2連勝も2連敗も一度もありません。

つまり9月10日は、冨澤にとって初めて「2連勝」がかかる試合でした。しかも舞台は京セラドーム大阪。それが本番の12日前に消えたことになります。

代役探しの制約|59.0kgの男子カードは、この試合だけだった

ここからは本サイトの見立てです。超RIZIN.5の対戦カードを契約体重で並べ直すと、事情が見えてきます。

契約体重 試合数 カード
71.0kg 3 朝倉未来 vs 青木真也ホベルト・サトシ・ソウザ vs 野村駿太ベイノア vs 宇佐美秀メイソン(キック)
66.0kg 4 シェイドゥラエフ vs AJ・マッキーダウトベック vs 平本蓮斎藤裕 vs YA-MANヴガール・ケラモフ vs 高木凌
59.0kg 1 冨澤大智 vs ドンマイ川端 ← 中止
49.0kg 1 RENA vs ナターシャ・クジュティナ(女子)

男子のカードは71.0kgと66.0kgに固まっていて、59.0kg契約は冨澤の試合だけです。いちばん近い66.0kgでも7kg差があります。大会に来ている選手をそのまま横にずらして充てる、という手が使いにくいのはたしかです(契約体重を変えて成立させた前例はあるので、不可能という話ではありません)。

もう1つ気になるのは、榊原CEOが使った言葉です。CEOが言ったのは「相手を探す」ではなく「組む意義のある、意味のある選手」でした。川端が持っていたものを並べてみます。

  • 36歳、元柔道日本一(後の東京五輪金メダリスト・髙藤直寿に2度勝っている)
  • YouTube登録者40万人超
  • そのうえでプロMMAデビュー戦=冨澤にとっては「勝って当然」ではない未知の相手

知名度があり、話題になり、しかもMMAの実績はまだ無い。この組み合わせを59.0kg前後で10日以内に用意するのは、体重の問題より難しいかもしれない——というのが本サイトの見方です。

RIZINの告知の出し方が、前回と違う

細かいところですが、公式サイトの告知の形も見ておきます。

2026年7月18日の広島大会で篠塚辰樹が頚椎症性神経根症で欠場したとき、RIZINが大会5日前の7月13日に出した告知は「【カード変更】篠塚辰樹 vs. イ・ジェフン 試合中止によるカードのお知らせ」でした。中止と、代役の火の鳥を同時に発表しています。火の鳥はそのままイ・ジェフンに3R TKO勝ちしました。

今回のタイトルは「【試合中止のお知らせ】冨澤大智 vs. ドンマイ川端」。中止だけです。この時点では、代役はまだ決まっていませんでした。

次に見るべきはRIZIN公式の「お知らせ」欄です。動きがあれば、この記事に日付入りで追記します。

まとめ

  • 8月31日時点で冨澤大智の相手は未定。本番まであと10日。RIZINは中止だけを先に告知しており、7月の広島大会のように代役と同時発表という形にはなっていません
  • 冨澤のMMAデビュー戦は、井原良太郎とジョリーのケガで組み直されたカードから生まれた。その11か月前には冨澤自身が欠場している。欠場に振り回されるのは初めてではない
  • MMA5戦は○×○×○で、まだ連勝がない。9月10日は初の2連勝がかかる試合だった。しかも59.0kg契約はこの大会で唯一の男子カードで、相手の母数はもともと狭い

冨澤本人は「俺も怪我してますけど、相手を準備してもらえたら全然やります」と言っています。ボールはRIZIN側にあります。

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