「日本人のボクシング世界王者っていま何人いるんだろう」と思って調べると、サイトによって「6人」「7人」「9人」と書いてあります。

どれも間違いではありません。数え方が違うだけです。この記事では、その中身を1つずつ整理します。

そして2026年8月1日、この「7人」「9人」という数え方の根拠が、ひとつ消えました。そこも合わせて説明します。

まず、6人の名前

いちばん基本になる数え方が「男子の、正規の王者」で6人です。

階級 団体 選手 戦績 いつから
スーパーバンタム級 WBA・WBC・IBF・WBO 井上 尚弥 33勝0敗(27KO) 2023年7月/12月
バンタム級 WBC 井上 拓真 22勝2敗(5KO) 2025年11月24日
バンタム級 WBA(レギュラー王座) 増田 陸 11勝1敗(9KO) 2026年7月20日
スーパーフライ級 WBO 寺地 拳四朗 26勝2敗(16KO) 2026年7月20日
フライ級 IBF 矢吹 正道 20勝4敗(18KO) 2025年3月29日
ライトフライ級 WBC 岩田 翔吉 17勝2敗(13KO) 2026年3月15日

井上尚弥は4団体すべてのベルトを持っているので、ベルトの数で言えば9本を6人で分け合っている計算になります。

「7人」と書いてある理由|堤聖也の休養王座は、8月になくなりました

7人と数えている資料は、堤聖也を入れています。堤はバンタム級のWBA休養王者でした。

休養王座というのは、正規の王者がケガなどで長く試合ができないときに、席を空けておくために置かれる王座です。ふつうは復帰すれば元の王者に戻ります。

ところが、2026年7月31日(日本時間8月1日)に発表されたWBAの最新ランキングで、堤は休養王者の欄から外れ、バンタム級1位になりました。

堤は試合に負けていません。経緯はこうです。

  • 2024年10月 WBA世界バンタム級王座を獲得
  • 2025年12月 ノニト・ドネアに12回判定2ー1で勝ち、2度目の防衛に成功。ただしこの試合で鼻を骨折
  • 2026年4月11日 回復が間に合わず、予定していた試合を取りやめ → 休養王者に
  • 2026年8月1日 WBAのランキングから休養王者の表記が消え、1位に

WBAは当初「最長6か月の休養を認める」としていたと報じられており、それが約2か月で終わった形です。堤本人にも事前の通達がなかったとされ、日本の元世界王者たちからは強い批判が出ています。

ですから、いま「7人」と書いてあるページは、8月1日より前の情報のままだということになります。

「9人」と書いてある理由|女子を入れる(いまは8人)

9人と数えている資料は、6人+堤聖也に女子の世界王者2人を足しています。堤の休養王座がなくなったので、同じ数え方をすると、いまは8人です。

  • 晝田 瑞希 ー スーパーフライ級 WBO世界王者
  • 山中 菫 ー アトム級 IBF世界王者

「日本人の世界王者」と言われて男子だけを思い浮かべる人が多いのですが、女子にもきちんと世界王者がいます。

数え方 人数
男子・正規王者だけ 6人
+ 休養王者(堤聖也)
※2026年8月1日になくなりました
7人
(8月1日より前の数え方)
+ 女子2人 8人
(堤を入れていた資料では9人)

6人のうち3人は、同じ日に決まりました

ここが今回いちばん驚いたところです。

2026年7月20日、東京・両国国技館の『U-NEXT BOXING.6』。この1日で、日本人がからむ世界戦が3つ行われ、3つとも日本人が勝ちました。

試合 結果
WBA世界バンタム級 王座決定戦 増田 陸が比嘉大吾に判定2ー1で勝利 → 新王者
WBO世界スーパーフライ級 王座決定戦 寺地 拳四朗がイスラエル・ゴンサレスに判定3ー0で勝利 → 新王者
WBC世界ライトフライ級 タイトルマッチ 岩田 翔吉がエリック・バディージョに11回TKO勝ち → 防衛成功

つまりいまいる6人の王者のうち、半分の3人がこの日に関わっています。増田の試合は2ー1という際どい判定で、1人のジャッジは比嘉を支持していました。

日本の王者は「軽い階級」に集まっている

6人の階級をもう一度見てください。

  • スーパーバンタム級(55.34kg)ー 井上尚弥
  • バンタム級(53.52kg)ー 井上拓真・増田陸
  • スーパーフライ級(52.16kg)ー 寺地拳四朗
  • フライ級(50.80kg)ー 矢吹正道
  • ライトフライ級(48.97kg)ー 岩田翔吉

ボクシングには全部で17の階級があります。いちばん軽いミニマム級(47.62kg)から、いちばん重いヘビー級(90.72kg超)まで。

そして日本人の世界王者6人は、下から2番目〜6番目という、たった5つの階級に全員が収まっています。

体格の差が出にくい軽量級に、日本の選手層が集中しているということです。ヘビー級やミドル級のような重い階級には、いま日本人の世界王者は1人もいません。

次に人数が変わるのは9月27日

2026年9月27日の『Prime Video Boxing 16』で、この数字が動く可能性があります。

試合 人数への影響
井上 拓真 vs 那須川 天心
(WBC世界バンタム級)
変わりません。どちらが勝っても日本人が王者。ただし顔ぶれは入れ替わります
坪井 智也 vs リカルド・マラジカ
(WBC世界スーパーフライ級 王座決定戦)
坪井が勝てば7人に増えます(いま空位のベルトなので、純粋な+1)
西田 凌佑 vs サム・グッドマン
(IBF世界スーパーバンタム級 暫定王座決定戦)
西田が勝つと「暫定王者」。ここでまた「数えるかどうか」の話になります

つまり9月27日が終わると、この「何人いるのか」問題はもう一段ややこしくなります。

まとめ

  • 男子の正規王者は6人。女子2人を足して8人
  • 堤聖也の休養王座は2026年8月1日になくなりました。「7人」「9人」と書いてあるページは、それより前の情報です
  • ベルトの本数でいえば、井上尚弥1人で4本。6人で9本
  • 6人のうち3人は2026年7月20日の1日で決まった
  • 6人全員が下から5つの階級に収まっている
  • 9月27日に坪井智也が勝てば7人になる

最新の全階級・全団体の王者は、別ページにまとめています。

ボクシング世界王者一覧|WBA・WBC・IBF・WBO 全17階級

選手のプロフィール

この記事に出てくる選手の戦績・経歴は、選手名鑑にまとめています。

選手名鑑(あいうえお順・団体別でさがせます)


2026年8月26日時点の公開情報にもとづきます。王者は頻繁に入れ替わります。出典=Wikipedia「ボクシング現王者一覧」/Lemino「プロボクシング世界チャンピオン一覧」(2026年8月10日時点)/eFight(7月20日の試合結果)/サンケイスポーツ・東京スポーツ(堤聖也の休養王座の件)。日本人王者については複数の資料で照合しました。