亀田和毅の次の世界戦はどうなる?フィゲロア戦中止とWBA王座決定戦の行方
WBAは日本時間10月20日、亀田の状況を「最優先」で扱うと声明を出しました。ただし「ランキング上位の選手の権利とあわせて」という条件つきです。亀田が王座決定戦に出られると決まったわけではありません。くわしくは下の「WBAの声明(10月20日)」へ。
先に結論(10月22日更新)
- 亀田和毅 vs フィゲロアは、試合当日に中止になりました。前日の計量で体重を落としきれなかったフィゲロアが、当日の朝に体調不良で棄権したためです。
- WBA世界フェザー級の王座は、いま「空位」(王者がいない状態)です。フィゲロアは計量に失敗した時点で王座を失っています。
- 亀田は「次の王座決定戦の優先権をもらう約束をした」と発表。一方でWBAの会長は「1位クエジョと2位中野幹士の順番になるはず」とXに書き、話が食い違っています。
- WBAは日本時間10月20日に声明を出し、亀田の状況を「最優先」で扱うとしました。ただし「ランキング上位の選手の権利とあわせて」という条件つきです。10月22日時点では、WBAの公式サイトで委員会の結論を確認できていません。決まったら、このページに書き足します。
元世界2階級制覇王者の亀田和毅(35歳・TMK)は計量を1回でクリアし、3階級制覇をかけて試合に備えていました。それでも相手の棄権で、ベルトに挑む機会はなくなりました。次のチャンスがいつ、誰と来るのかは、まだ決まっていません。
このページでは、「何が起きたのか」と「亀田の挑戦権はこれからどうなるのか」を、報道とWBA関係者の発言をもとに整理します。
何が起きたのか(時系列)
時刻は日本時間です。カッコ内は現地(ラスベガス)の日時です。
| 日本時間 | できごと |
|---|---|
| 10月17日(土) (現地16日・金) |
前日計量。リミットは57.15kg(126ポンド)。亀田は57.0kgで1回でパスしました。フィゲロアは1回目で約640gオーバー。決められた時間内(報道では1時間)に量り直さず、時間を過ぎてから量った体重も約360gオーバーでした。フィゲロアはこの時点で王座を失いました。 |
| 同じ日 | 試合はそのまま行う形に。亀田が勝てば新王者、フィゲロアが勝てば王座は空位のままという条件でした。 |
| 10月17日(土)深夜 (現地17日・土の朝) |
フィゲロアが体調不良を理由に棄権を申し出て、試合は中止。主催のPBCが発表しました。 |
| 10月18日(日) | 亀田がインスタグラムで中止を報告し、「優先権をもらう約束を交わした」と発表。同じ日に、WBAのメンドーサ会長がXで別の見方を投稿しました。 |
| 10月20日(火)午前1時52分 (現地19日・月) |
WBAが声明を発表。世界選手権委員会を現地19日に開き、亀田の状況を「最優先」で扱うと説明しました(ランキング上位の選手の権利とあわせて)。10月22日時点で、WBAの公式サイトに委員会の結論は出ていません。 |
なお、この日のメインイベントは予定どおり行われ、WBC世界スーパーウェルター級王者のセバスチャン・フンドラが、エルマル・ハドリベアイを12回でストップして防衛しました。
亀田の言い分と、WBA会長の言い分
いちばん大事なのはここです。2つの発言を並べます。
亀田和毅(インスタグラム)
「これで終わりではありません。プロモーターおよびWBAから、次回のWBAフェザー級王座決定戦における優先権をいただく約束を交わしました」
試合に立ち会う予定だったWBAの担当者(立会人)から、空いた王座の決定戦に優先して出られると伝えられた、と報じられています(サンケイスポーツ、RONSPO)。
ただし、この「優先権」が決定戦に必ず出られる権利なのか、候補として優先して考えてもらえるだけなのかは、まだ分かりません。立会人の約束が、そのままWBAの正式な決定になるのかも、委員会の判断を見るまでは分かりません。
メンドーサWBA会長(X)
「問題はフィゲロアvs亀田が選択防衛戦だったという点だ。順位は1位がミルコ・クエジョ、2位が中野幹士となるはずだ。いずれにせよ、月曜日(19日)に世界選手権委員会が会合を開き、決定を下す予定だ」
(日本語訳はサンケイスポーツの記事より)
WBAの声明(10月20日)
WBAは公式サイトに、フェザー級王座についての声明を載せました。日本時間の10月20日(火)午前1時52分(現地19日)、メンドーサ会長の名前です。声明は段落で書かれているので、ここでは中身を4つに分けて並べます(番号は格闘録で付けたものです)。
| No. | 声明に書かれていること |
|---|---|
| 1 | ラスベガスでの世界戦が行われなかったことを残念に思う |
| 2 | フィゲロアは公式計量でフェザー級の上限126ポンド(約57.15kg)を超え、WBAの規則どおり王座を失った。体の回復を願う |
| 3 | 亀田は、プロとして求められたことをすべてやった。何か月も練習し、計量もクリアした。世界選手権委員会(王座の試合の組み方を決めるWBAの会議)は10月19日(月)に会合を開き、亀田の状況を最優先で扱う。ランキング上位の選手の権利とあわせて |
| 4 | ネバダ州のアスレチック・コミッション(試合を許可・監督する州の役所)などと協力して、計量のやり方をそろえる。どの選手も、分かりやすく同じルールで戦えるようにするため |
大事なのは3つ目です。「亀田を最優先」と言いながら、同じ文の中で「ランキング上位の選手の権利とあわせて」とも書いています。声明はクエジョや中野幹士の名前を出していませんが、1位・2位の選手の立場が、この文面で消えたわけではありません。「最優先で話し合う」は「決定戦に出られる」と同じ意味ではない、という点に気をつけてください。
声明には、決定戦の対戦相手も開催日も書かれていません。いつまでに決めるかという期限もありません。委員会は現地19日に開くと書かれていましたが、日本時間10月22日の時点で、WBAの公式サイトの新着記事の一覧には、この件の結論を伝える発表は見当たりません。
4つ目の「計量のやり方をそろえる」は、今回の計量のあとに出た話です。どこをどう変えるのかは、まだ書かれていません。
「選択防衛戦」だと、何が問題なのか
世界王者の防衛戦には、大きく2種類あります。
| 種類 | 中身 |
|---|---|
| 指名試合 | 団体が「この選手と戦いなさい」と命じる試合。ふつうはランキング上位の選手が相手になります。 |
| 選択防衛戦 | 王者が団体の承認を受けて、挑戦者を選ぶ防衛戦。ランキング1位の選手と必ず戦うわけではありません。 |
亀田はWBAのランキングで3位です。今回はフィゲロアが相手として選んだ「選択防衛戦」だったので、3位でも挑戦できました。
ところが試合が流れ、王座は空いたまま。王座が空いたときは話が別で、次の王者を決める試合に誰を出すかを、WBAがあらためて判断します。会長の投稿は「そのときはランキングの順番が前に出る」という考えを示したものです。
なお、会長が名前を挙げたのは上位2人ですが、「選択防衛戦が流れたら、必ず1位と2位で決定戦をする」という決まりがWBAの規則にあるかどうかは、確かめられていません。
WBAのベルトのしくみ(スーパー王座・暫定王座など)は、WBAのベルトはなぜ1階級に何本もあるのかにまとめています。
候補は3人|WBAフェザー級の上位
| 順位 | 選手 | 戦績 | ひとこと |
|---|---|---|---|
| 1位 | ミルコ・クエジョ アルゼンチン・26歳 |
16戦16勝(13KO)無敗 2025年8月時点 |
2025年8月、リビアでWBA暫定王座(正規の王者とは別に置かれる王座)を2回KOで獲得。のちに暫定王座はなくなったが、正規王座への挑戦権は残っていると報じられている |
| 2位 | 中野幹士 帝拳・31歳 |
16戦15勝(14KO)1敗 | OPBF東洋太平洋フェザー級王者。2025年11月のIBF挑戦者決定戦でライース・アリームに判定負け(プロ初黒星)。2026年5月の再起戦でレラト・ドラミニに4回TKO勝ち |
| 3位 | 亀田和毅 TMK・35歳 |
47戦42勝(23KO)5敗 | 元WBO世界バンタム級王者、元WBC世界スーパーバンタム級暫定王者。2025年5月にIBF王者アンジェロ・レオに0-2の判定負け。今回は1年5か月ぶりの試合が、そのまま世界戦になるはずだった |
ちょっとした因縁もあります。中野が5月にTKOで倒したレラト・ドラミニは、亀田が2023年10月に判定1-2で敗れた相手です。
これから考えられる形
ここからは見通しです。まだ何も決まっていません。No.1とNo.2は報道や会長の投稿で名前が挙がっている組み合わせで、No.3はそれ以外の可能性です。
| No. | 形 | 亀田にとって |
|---|---|---|
| 1 | 亀田 vs クエジョで王座決定戦 | 亀田の言う「優先権」と、1位のクエジョを両方立てる形。立会人が「クエジョとの決定戦」を約束したとも報じられている(RONSPO) |
| 2 | クエジョ vs 中野幹士で王座決定戦 | 会長の投稿どおりランキング順にした場合。亀田は勝った側への挑戦を待つことになる |
| 3 | 上の2つ以外の形 | 委員会が、試合の期限などの条件をつけて決める可能性もある |
どれになるかは、委員会の判断を待つことになります。亀田は35歳。次のチャンスがすぐ来るかどうかは、本人にとっても大きな問題です。
亀田の次の言葉
中止のあと、亀田はこうも話しています。
「これで全部終わったわけではない。気持ちが切れなければ、まだチャンスはある」(時事通信)
メキシコで7月末から約2か月半、練習を積んで、10kgの減量もやりきってからの中止でした。それでも、次に向けて「イチから鍛え直す」と書いています。
あわせて読みたい
出典
- WBAの声明:WBA公式(英語・現地10月19日)/スポーツ報知(10月20日)
- 計量・中止:Yahoo Sports(英語)/The Ring(英語)
- 亀田の体重・インスタグラムの発表:デイリースポーツ(Yahoo!ニュース)
- 亀田のコメント:時事通信(Yahoo!ニュース)
- メンドーサ会長の投稿・ランキング:サンケイスポーツ(Yahoo!ニュース)/World Boxing News(英語)
- 立会人の発言・委員会の日程:RONSPO
- クエジョの暫定王座獲得:WBA公式(英語)
- 中野幹士のアリーム戦:デイリースポーツ/戦績:Wikipedia(英語)
2026年10月19日時点の報道にもとづきます。WBAの決定が出たら書き足します。誤りを見つけられた場合はご指摘ください。
この記事に出てくる選手
- 亀田 和毅 フェザー級/元WBO世界バンタム級王者・WBA3位(10月17日の王座戦は中止)
- ブランドン・フィゲロア フェザー級/前WBA世界フェザー級王者(計量失敗で王座を失う)
- ミルコ・クエジョ フェザー級/WBA1位
- 中野 幹士 フェザー級/OPBF東洋太平洋王者・WBA2位