【10月19日追記】試合の結果
マスドールは前日の計量で体重を超え、試合は53.8kg契約で行われました(勝っても王座は移らない条件)。1Rに名高の左フックでダウンし、2R 0分58秒、左ハイキックでTKO負けしました。以下は試合前に書いた内容です。
▶ ONE SAMURAI 4の全試合の結果

10月17日(土)の『ONE SAMURAI 4』。メインの1つ前の試合(コーメイン)で、ONEアトム級ムエタイ世界王者の吉成名高(よしなり なだか)に挑むのが、マレーシアのリファディン・マスドールです。

名高はONEで6戦6勝。ONE以外の試合も含めて「42人続けて勝っている」とONE公式が紹介する王者です。その王者に、23歳の挑戦者は「名高に初めて黒星をつけるのは俺だ」と言い切りました。

この記事では、ONE公式の戦績表にある8試合をもとに、マスドールがどんな選手なのかを整理します。

  • 5つのKO・TKO勝ちの共通点
  • ただ1つの負けの中身
  • 名高とくらべた数字
  • 試合前の2人の言葉

30秒でわかる マスドール

30秒でわかるリファディン・マスドール

まずは基本の数字です。23歳で、25歳の名高より2つ若く、身長は3cm低い162cmです。ONEでは8試合を戦って負けは1つだけ。そして勝ち方には、はっきりした特徴があります。

名前 リファディン・マスドール(Rifdean Masdor)
愛称 Magic Boy(マジックボーイ)
年齢 23歳
国籍 マレーシア
所属 Sor Sommai(ソー・ソンマイ)
身長 162cm
階級 アトム級(体重の上限52.2kg)
ONEでの戦績 8戦7勝1敗(KO・TKO勝ち5)

数字と所属・愛称はONE公式の選手ページ(10月15日時点)から取りました。プロ全体の戦績は、海外の媒体1社が47勝8敗と書いていますが、ほかで確かめられなかったため、表には入れていません。

1. マレーシアの「マジックボーイ」

マスドールの経歴

マスドールはマレーシアのムエタイ選手です。ONEでの8試合は、すべてタイ・バンコクのルンピニー・スタジアムで開かれる金曜大会『ONE Friday Fights』で戦ってきました。そこで勝ち続けて、世界戦までたどり着いています。愛称の「マジックボーイ」は、ヒジ打ちや飛びヒザ蹴りで、自分でも気づかないうちにKOしてしまうことから来ていると本人は話しています。

マレーシアのムエタイ選手

ONE公式の記事では、マレーシア・サラワク州の出身と紹介されています。マレーシアの新聞によると、生まれはサラワク州のクチンで、のちにペラ州を拠点に練習してきました。アマチュア時代は国の代表として活躍し、2019年7月にバンコクで開かれたムエタイの世界選手権で、48kg級の銀メダルを取っています。その後、マレーシアの通信社の報道では2021〜2023年に23歳以下の部で3年続けて世界王者になり、ONE公式も「IFMA(国際ムエタイ連盟)の世界王者に3回なった」と紹介しています。

10万ドルの本契約をつかむ

2026年6月19日、ジャバド・モザファリ(イラン)を1ラウンド1分34秒のKOで倒しました。ONE公式によると、この勝ちで10万ドル(米ドル)のONE本契約を手にしています。試合後には「契約を3年待っていた」と話し、「日本で会おう、名高。名高は僕の憧れなんだ」と名高を指名しました。その次の試合が、いきなりの世界タイトルマッチです。

勝てばマレーシアで2人目の王者

ONE公式は、マスドールが勝てば、マレーシア出身で2人目のONE世界王者になると紹介しています。本人も「ベルトをマレーシアとサラワクの人たちに持ち帰る」と話しています。

2. KO・TKOはすべて1R

マスドールのONEでの8試合

マスドールのONEでの8試合を、新しい順に並べました。勝ち方を見ると、この選手のいちばんの特徴が分かります。5つのKO・TKO勝ちは、すべて1ラウンドで決まっています。

時期 相手 結果
2026年6月 ジャバド・モザファリ(イラン) ○ 1R 1分34秒 KO
2026年5月 ペットキアッティサック(ラオス) ○ 3R判定(3-0)
2026年1月 モハマド・レドー(インドネシア) ○ 1R 2分34秒 KO
2025年8月 ブヌン(タイ) ○ 3R判定(マジョリティ)
2025年5月 ノンビア(ラオス) ○ 1R 47秒 TKO
2025年1月 ペットニンムンコン(タイ) × 3R判定(マジョリティ)
2024年7月 ペターク(タイ) ○ 1R 2分49秒 KO
2024年3月 ピチャイ(タイ) ○ 1R 1分18秒 TKO(ONEデビュー戦)

結果・決まり方・時間はONE公式の選手ページ、大会の日付はONE公式の各大会ページによります。8試合とも、ヒジ打ちのあるムエタイのルールでした。

5つのKO・TKOは全部1ラウンド

KO・TKOで勝った5試合は、早いもので47秒、遅いものでも2分49秒で終わっています。名高もマスドールについて「KO率が高く、全部早いラウンドで倒している」と話しています(ONE公式)。

ただ1つの負けは判定

ONEでのただ1つの負けは、タイのペットニンムンコン戦です。3ラウンドを戦い、ジャッジ3人のうち2人が相手、1人が引き分けとつけた判定(マジョリティ判定)でした。KO・TKOで負けたわけではありません。

5連勝で世界戦へ

その負けのあと、マスドールは5つ続けて勝っています。5勝のうち3つが1ラウンドのKO・TKOです。勢いに乗ったまま、今回の世界戦を迎えます。

3. 名高とくらべる

吉成名高とマスドールの比較

挑戦者のマスドールと、王者の名高を数字で並べます。年齢も身長も近い2人ですが、ONEでの経験には違いがあります。とくに目立つのが、試合の長さです。

項目 吉成名高(王者) マスドール(挑戦者)
年齢・身長 25歳・165cm 23歳・162cm
ONEでの戦績 6戦6勝 8戦7勝1敗(5連勝中)
ONEでのKO・TKO勝ち 2 5(すべて1ラウンド)
ONEの5ラウンドの試合 2試合(どちらも判定勝ち) なし(8試合すべて3ラウンド)

数字はONE公式の選手ページ(10月15日時点)から取りました。今回は5ラウンドの試合です。

5ラウンドの経験は名高

名高は2025年11月に王座を取り、2026年4月に初防衛しました。この世界戦2試合は、どちらも5ラウンドを戦い切っての判定勝ちです。マスドールはONEで5ラウンドを戦ったことがありません。

KO・TKOの数はマスドールが多い

ONEでのKO・TKO勝ちは、名高の2つに対してマスドールは5つです。ただし、マスドールが倒してきたのは金曜大会の相手で、名高は世界王者クラスとも戦ってきました。相手の強さが違うので、この数字だけで倒す力の差は決められません。マスドール本人は「名高は速くて賢くて強い。でも俺にはパワーがある」と話しています。

2人は初めての対戦

2人がONEで戦うのは今回が初めてです。ONE公式の2人の戦績表に、共通の相手も見当たりません。

4. 試合前の2人の言葉

名高とマスドールの試合前の言葉

ONE公式は10月8日、名高とマスドールのインタビューをそれぞれ記事にしています。2人とも相手をきちんと認めたうえで、自分の勝ちを口にしています。

マスドール「歴史を作る」

「歴史を作る。名高に初めて黒星をつけるのは俺だ」。マスドールはこう話し、「4年前から名高をずっと見てきた」とも明かしました。

マスドール「IQ対IQの戦い」

一方で「この試合はIQ対IQの戦いになる」「この試合では誰もKOされない。たぶんスプリット判定で終わる」とも言っています。パワーを強調しながら、簡単には倒せない相手だと分かっている言い方です。

名高「最後は必ずKOする」

名高は「全部受けて、全部かわして、最後は必ずKOする」と話しました。マスドールについては「大技が多く、ダウンやKOをよく取る選手」と見ています。

5. 強みと課題

マスドールの強みと課題

ここまでの戦績と2人の言葉から、マスドールの強みと課題をまとめます。数字はONE公式の戦績表から数えたものです。戦い方の見立ては当サイトの見方です。

強み|1ラウンドで終わらせる力

  • ONEでの7勝のうち5つが1ラウンドのKO・TKO
  • 5連勝中の勢い
  • 23歳の若さ

課題|長い試合と世界戦の経験

  • ONEで5ラウンドの試合をしたことがない
  • ONEで世界タイトルマッチに出たことがない
  • 判定までいった3試合は、2勝1敗

当日は1〜2ラウンドに注目

マスドールはONEの5勝をすべて1ラウンドで決めてきました。一方で、試合が後半に入ったとき、5ラウンドを2度戦い切っている名高との経験の差が出るかどうかも見どころです。

よくある質問

マスドールは何歳ですか

23歳です(ONE公式・10月15日時点)。

どこの国の選手ですか

マレーシアの選手です。ONE公式の記事ではサラワク州の出身と紹介されています。

ONEでの戦績はどれくらいですか

8戦7勝1敗です(ONE公式・10月15日時点)。7勝のうち5つがKO・TKO勝ちです。

KO負けしたことはありますか

ONEではありません。ただ1つの負けは、3ラウンドの判定負けです。

吉成名高と戦ったことはありますか

ありません。今回が初めての対戦です。

アトム級は何kgの階級ですか

ONEのアトム級は、体重の上限が52.2kgです。ONEは計量で体の水分量も調べるため、ほかの団体より同じ階級名でも重めに決められています。

試合はいつ、どこで見られますか

10月17日(土)、東京・有明アリーナの『ONE SAMURAI 4』のコーメインです。日本ではU-NEXTが独占ライブ配信します。くわしくは対戦カードの記事にまとめています。

まとめ

  • マスドールはマレーシアの23歳。ONEで8戦7勝1敗、5連勝中
  • 5つのKO・TKO勝ちは、すべて1ラウンド
  • ただ1つの負けは、3ラウンドの僅差の判定
  • ONEで5ラウンドを戦うのは今回が初めて
  • 本人は「名高に初めて黒星をつける」と宣言

当日は、1〜2ラウンドを名高がどうしのぐかを見てください。3ラウンドに入ったら、5ラウンドの経験がある王者の流れに近づきます。当サイトの勝敗の見立ては予想記事に書いています。

※戦績・年齢は2026年10月15日時点のものです。計量や当日の変更があれば追記します。

あわせて読みたい

この記事で使った出どころ

  1. ONE公式|リファディン・マスドールの選手ページ(年齢・身長・国籍・所属・愛称・ONEでの8試合の結果と決まり方)
  2. ONE公式|吉成名高の選手ページ(年齢・身長・ONEでの6試合の結果)
  3. ONE公式|ONE SAMURAI 4 大会ページ(コーメイン・アトム級ムエタイ世界タイトルマッチ)
  4. ONE公式|マスドールのインタビュー(10月8日)(「名高に初めて黒星をつける」「俺にはパワーがある」「IQ対IQ」「4年前から見てきた」、サラワク州出身、本契約、勝てばマレーシア2人目の王者)
  5. ONE公式|名高のインタビュー(10月8日)(「最後は必ずKOする」、マスドールの評価、42人続けて勝っている)
  6. ONE公式|The Inner Circle 19の結果(6月19日)(モザファリに1R 1分34秒KO、10万ドルの本契約)
  7. ONE公式|契約後のマスドールの言葉(6月)(「3年待っていた」「日本で会おう、名高」「名高は僕の憧れ」)
  8. ONE公式|The Inner Circle 19の前のインタビュー(愛称の由来、IFMA世界王者3回)
  9. Borneo Post(2019年7月30日・保存版)(クチン生まれ、2019年の世界選手権48kg級で銀メダル)
  10. Sinar Harian(2023年11月)(ペラ州を拠点にしていること、23歳以下の部で3年続けて世界王者)
  11. ONE公式|ONE Friday Fights 56 大会ページほか各大会ページ(8試合の日付)

リンクは2026年10月15日に確認したものです。リンク先の内容はその時点のものです。媒体によって食い違った数字は、食い違っていることを書くか、書かないようにしています。