堀口恭司はいまUFCのフライ級にいます。43戦36勝6敗1無効試合、35歳。日本のMMAで、これだけの数字を積んだ選手はほかにいません。

ただし2026年6月20日、自分の名前が大会名についた試合で負けました。相手はマネル・ケイプ。しかも8年半前に、堀口が勝っている相手でした。

いま堀口がどこにいるのかを、数字と日付で整理します。

2026年6月20日、自分の名前がついた大会で負けた

アメリカ・ネバダ州ラスベガスのMeta APEXで行われた「UFC Fight Night: Kape vs. Horiguchi」(日本時間6月21日朝)。メインイベントのフライ級5分5Rで、堀口はマネル・ケイプに3ラウンド2分42秒、TKOで敗れました。右で倒されてのパウンドアウトです。

UFCのメインイベントで自分の名前が大会名に入るのは、日本人選手ではめったにないことです。その舞台で、勝てませんでした。

試合後、堀口は「ダメージが少なくて済んだ」「またやり返すんで見ててください」と話しています。ケイプのほうは「堀口と戦ったから今の俺がいる」とコメントし、「恭司とは僕の防衛戦で会うだろう。その試合は日本で行われなければならない」と、3度目の対戦を日本で、と口にしました。

8年半前は、堀口が勝っていた

この2人が初めて戦ったのは2017年12月31日。RIZINのバンタム級グランプリ準決勝で、堀口が3ラウンド4分27秒、肩固めで一本勝ちしています。堀口はその日の決勝で石渡伸太郎も倒し、グランプリを制しました。

8年半ぶりの再戦で、逆の結果になったわけです。

この試合に勝っていれば、11年ぶりのタイトル挑戦が見えていた

ここが、この敗戦のいちばん重いところです。

ケイプ戦は勝者がアレッシャンドリ・パントージャと並んで、王者ジョシュア・ヴァンへの次期挑戦者候補になる、という位置づけの試合でした。

堀口がUFCの世界王座に挑んだのは、2015年4月25日の一度だけです。UFC 186でデメトリアス・ジョンソンと世界フライ級タイトルマッチを戦い、5ラウンド4分59秒、腕ひしぎ十字固めで敗れました。残り1秒です。

そして、この2015年の試合が、堀口の43戦で唯一の一本負けでもあります。

つまり2026年6月のケイプ戦は、11年ぶりにベルトへ近づくための試合でした。ここで負けたことで、挑戦は遠のいています。

無敗は「8」で止まりました

ケイプ戦の前まで、堀口は8戦無敗(7勝と無効試合1)でした。2022年4月にパッチー・ミックスに判定で敗れて以降、負けていなかったからです。

  1. 2022年9月25日 金太郎に2R 肩固め(RIZIN.38)
  2. 2022年12月31日 扇久保博正に判定3-0(RIZIN.40)
  3. 2023年12月31日 神龍誠に2R リアネイキドチョーク(RIZINフライ級王座決定戦)
  4. 2024年6月9日 セルジオ・ペティスに判定3-0(RIZIN.47)
  5. 2024年12月31日 エンカジムーロ・ズールーに判定3-0(RIZINフライ級タイトルマッチ)
  6. 2025年11月22日 タギル・ウランベコフに3R リアネイキドチョーク(UFC)
  7. 2026年2月7日 アミル・アルバジに判定3-0(UFC)

※このあいだの2023年7月30日、神龍誠戦は偶発的なサミングによるノーコンテスト(無効試合)でした。UFC公式プロフィールも「無敗記録が8でストップ(7勝0敗、1ノーコンテスト)」と書いています。勝ちが続いた数(連勝)で数えると7です。

3年半かけて積み上げた8戦無敗が、1試合で止まったという形です。

36勝の中身は「倒す」と「判定」がちょうど半々

堀口の勝ち方を分解すると、この選手の性格が出ています。日本語版WikipediaとSherdogを突き合わせ、数字が一致することを確認しました。

項目 数 割合
通算 43戦 36勝6敗1無効試合
KO・TKO勝ち 15 勝ちの42%
判定勝ち 15 勝ちの42%
一本勝ち 6 勝ちの17%
KO・TKO負け 3 ―
一本負け 1 2015年のジョンソン戦のみ
判定負け 2 ―

倒し切る形と、3ラウンド取り切る形を、同じ数だけ持っている。これが堀口の強さです。伝統派空手(松濤館流・黒帯二段)の踏み込みで一気に距離を潰す形と、動き回って点を取る形の、両方があります。

そして43戦で極められたのは1回だけ。しかもそれが世界王者相手の5ラウンド残り1秒でした。

3つの団体でベルトを巻いた日本人

堀口の経歴で見落とされがちなのが、UFC・Bellator・RIZINの3団体すべてで戦い、うち2団体でベルトを巻いていることです。

  • 修斗 世界フェザー級王者(2013年、扇久保博正に勝って戴冠)
  • UFC 2013年に参戦。2015年に世界フライ級王座へ挑戦
  • RIZIN 2017年バンタム級グランプリ優勝/初代RIZINバンタム級王者(2018年、ダリオン・コールドウェルに勝って)/RIZINフライ級王者(2023年〜。2025年3月、UFC復帰にあわせて返上)
  • Bellator 世界バンタム級王者(2019年、ダリオン・コールドウェルに判定3-0)

RIZINでは2階級で王者になっています。

朝倉海とは、1勝1敗のままです

日本のファンの記憶に残っているのは、やはりこの2試合でしょう。

  • 2019年8月18日 RIZIN.18 朝倉海が1R 1分08秒 KO勝ち。堀口にとって衝撃的な黒星でした
  • 2020年12月31日 RIZIN.26 RIZINバンタム級タイトルマッチで、堀口が1R 2分48秒 TKO勝ち。ひざの大ケガから復帰しての、きれいなリベンジでした

1勝1敗のまま、3戦目は組まれていません。その朝倉海は、いまUFCバンタム級にいて、2026年8月29日に上海でアオリ・チロンに2ラウンド34秒でKO勝ちしています。

これから:11月21日にカタールで再起戦が決まりました

2026年9月29日、堀口本人がXで「試合が決まりました!!」と発表しました(堀口本人のXの投稿)。現地時間11月21日(土)、カタール・ドーハの「UFCファイトナイト・カタール」で、フライ級上位のアスー・アルマバイエフ(カザフスタン)と戦います。日本時間では11月22日(日)の未明から朝にかけての大会です。9月23日にイーファイトが「調整が進んでいる」と報じていた試合で、海外の格闘技メディアも決定と伝えています。2026年9月30日には、UFC公式の大会ページにもこの試合が載りました。メインの試合と、堀口の試合が何試合目になるかは、まだ発表されていません。

ケイプが口にした「3度目は日本で」という再戦は、いまのところ構想の段階です。UFCのフライ級王者は、2026年5月に平良達郎を退けたジョシュア・ヴァン。堀口が戻っていく先も、この階級です。

▶ この試合の予想は 【予想】堀口恭司 vs アルマバエフ|2人ともケイプに負けた者どうし。勝つのはどっち

▶ 相手のアルマバエフ(アルマバイエフ)がどんな選手かは アスー・アルマバエフとは|23歳まで市場で働いた堀口恭司の次の相手。戦績・経歴・強さと弱点

選手のプロフィール

この記事に出てくる選手の戦績・経歴は、選手名鑑にまとめています。

選手名鑑(あいうえお順・団体別でさがせます)

試合予定(RIZIN・ボクシング・UFC・ONE のスケジュール一覧)

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この記事で使った出典

  • Sherdog(通算戦績と勝敗の内訳)/日本語版Wikipedia「堀口恭司」(全43戦の日付・相手・決まり手・大会名) ※2つを突き合わせて一致を確認しました
  • ゴング格闘技 2026年6月21日(ケイプ戦の結果と両者のコメント、ケイプの「その試合は日本で」)
  • イーファイト 2026年6月21日「堀口恭司、ケイプの右でTKO負け!悲願のタイトル挑戦は遠のく」(試合の位置づけ)
  • UFC日本公式サイト(大会名、堀口の選手ページ、無敗記録が8で止まったという記載)
  • 堀口恭司のX 2026年9月29日(11月21日のアルマバイエフ戦の決定)/イーファイト 2026年9月23日(調整の報道)/ゴング格闘技 2025年3月(RIZIN.50でのRIZINフライ級王座の返上)

戦績は2026年8月26日時点、次戦の状況は2026年9月30日時点の公開情報にもとづきます。誤りを見つけられた場合はご指摘ください。

この記事で使った出どころ

出どころのリンク

  1. ゴング格闘技|【UFC】堀口恭司がTKO負け、マネル・ケイプが3R 右で倒してパウンドアウト「堀口と戦ったから今の俺がいる」。スターリングが10戦無敗・UFC5連勝に、フェザー級キルギスのマゴメドフが77秒、ツイスターで11勝無敗・全フィニッシュ勝利に! オリヴェイラがフィリをTKOでUFC5連勝、キャッチ戦でリマがボルハスに判定負けで連勝止まる、メスキータが腕十字で8勝無敗・UFC3連勝に(2026年6月20日のケイプ戦、3R2分42秒TKO負け/勝者が次期挑戦者候補という試合の位置づけ/ケイプの「堀口と戦ったから今の俺がいる」)
  2. ゴング格闘技|【UFC】堀口恭司をTKOしたマネル・ケイプ「グラウンドになった時、俺は堀口に好きなように動かせていた」×堀口「ダメージが少なくて済んだ」(堀口の試合後コメント「ダメージが少なくて済んだ」)
  3. UFC日本公式サイト|堀口恭司 | UFC(ケイプ戦で止まった無敗記録(8戦=7勝1無効試合)/UFC186でのジョンソン戦の敗戦)
  4. MMAPLANET|【UFC186】残り1秒のタップアウト負け。堀口恭司、正真正銘の世界最強=DJに敗れる(UFC186でデメトリアス・ジョンソンに5R4分59秒腕十字で一本負け)
  5. RIZIN公式サイト|【試合結果】第1試合/バンタム級トーナメント 準決勝 マネル・ケイプ vs. 堀口恭司(2017年12月31日のケイプ戦、3R4分27秒肩固めで一本勝ち)
  6. RIZIN公式サイト|【試合結果】GOOD SPEED presents RIZIN.18 第13試合 堀口恭司 vs. 朝倉海(RIZIN.18で朝倉海に1R1分08秒KO負け)
  7. RIZIN公式サイト|【試合結果】Yogibo presents RIZIN.26 第15試合/朝倉海 vs. 堀口恭司(RIZIN.26のバンタム級タイトルマッチで朝倉海に1R2分48秒TKO勝ち)
  8. UFC日本公式サイト|朝倉海 | UFC(2026年8月29日、朝倉海のアオリ・チロン戦2R0分34秒KO勝ち)

リンクは2026年9月30日に確認したものです。リンク先の内容はその時点のものです。

この記事に出てくる選手

  • ジョシュア・ヴァン フライ級/UFCフライ級王者
  • アオリ・チロン バンタム級/元武林風(WLF)バンタム級王者・8/29に朝倉海と対戦
  • 堀口 恭司 フライ級/元Bellator世界バンタム級王者・元RIZIN2階級王者
  • 平良 達郎 フライ級/2026年5月にUFC世界フライ級王座へ挑戦
  • 朝倉 海 バンタム級/元RIZINバンタム級王者
  • 神龍 誠 フライ級/RIZINフライ級王者(2026年6月6日〜)。日本人がMMAで持つ唯一のベルト

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