2026年9月10日(木)、京セラドーム大阪で行われる「ANGEL CHAMPAGNE presents 超RIZIN.5 浪速の超復活祭り」。この大会に、ヴガール・ケラモフが出場し、高木凌と対戦します。

この記事は、ヴガール・ケラモフという選手だけを掘る記事です。

先に結論を書きます。ケラモフは、同じ日にメインイベントで青木真也と戦う朝倉未来を、絞め落としてベルトを獲った選手です。そしてプロ28戦して、極められたのはたった1回だけという、非常に硬い選手でもあります。

30秒でわかる ヴガール・ケラモフ

名前 ヴガール・ケラモフ(Vugar Karamov)/異名は「コーカサスの雷」
生年月日 1992年2月20日(34歳)
国籍・出身 アゼルバイジャン・バクー
体格 175cm/リーチ179cm
所属・ベース ORION FIGHT CLUB。散打・柔道・コンバットサンボ
戦績 28戦21勝7敗(KO・TKO 7/一本 9/判定 4/その他 1)
タイトル 元RIZINフェザー級王者。アゼルバイジャン人として初のRIZIN王者
直近の試合 2025年12月31日 クレベル・コイケに判定0-3で敗戦
ここが一番の特徴 28戦して一本負けは1回だけ、KO負けも1回だけ。7敗のうち5敗は判定

1. 朝倉未来を、1ラウンドで絞め落としています

2023年7月、超RIZIN.2のRIZINフェザー級王座決定戦。ケラモフの相手は朝倉未来でした。

結果は1ラウンド2分41秒、リアネイキドチョーク(背中から首を絞める技)でケラモフの一本勝ち。この試合でケラモフはアゼルバイジャン人として初めてのRIZIN王者になりました。

その朝倉未来は、同じ9月10日のメインイベントで青木真也と戦います。この日の会場には「朝倉未来を極めた男」も一緒に立っているということです。

2. 28戦して、極められたのは1回だけです

格闘技の負け方は、大きく3つあります。KO・TKO(打撃で倒される)、一本(関節技や絞め技で参ったをする)、判定(時間いっぱいで採点負け)です。

ケラモフの7敗の中身は、こうなっています。

判定負け 5回
KO・TKO負け 1回
一本負け 1回

7敗のうち5敗が判定です。つまりケラモフは、負けるときも「最後まで立って戦ったうえで、点で足りなかった」という負け方がほとんどです。倒されて終わったのは、28試合のうち2回しかありません。

3. その「1回だけの一本負け」の相手が、同じ大会に出ます

ケラモフを唯一極めたのは、ホベルト・サトシ・ソウザです。

2024年12月31日のRIZINライト級タイトルマッチで、ケラモフは1ラウンド4分45秒、三角絞めで一本負けしました。28戦のうち、極められたのはこの1試合だけです。

そのソウザも、9月10日に野村駿太と戦います。同じ大会に「28戦で1度しか極められていない選手」と「その1度を極めた選手」が並んでいることになります。

4. 21勝のうち16勝は、判定までいっていません

負けるときは判定が多いケラモフですが、勝つときは倒しています。

一本勝ち 9回
KO・TKO勝ち 7回
判定勝ち 4回
その他 1回(決まり手が記録に残っていない試合)

21勝のうち16勝が、一本かKO・TKOです。4分の3以上が「途中で終わっている」勝ち方になります。

とくに速いのが2024年11月17日の摩嶋一整戦で、1ラウンド28秒の右フックからのTKO勝ちでした。「コーカサスの雷」という異名は、このあたりから来ています。

5. 一本9回のうち、7回は「首を絞める技」です

ケラモフの一本勝ち9回を分けると、こうなります。

三角絞め(両脚で首を挟んで絞める) 4回
リアネイキドチョーク(背中から首を絞める) 2回
ギロチンチョーク(正面から首を抱えて絞める) 1回
腕ひしぎ十字固め(腕を極める) 2回

ベースは打撃系の散打(中国の立ち技格闘技)ですが、柔道とコンバットサンボもやっています。殴りにいく選手なのに、寝技でも極められるのがケラモフの厄介なところです。

6. ここは間違えやすい|いまは王者ではありません

ケラモフは元RIZINフェザー級王者ですが、いまはベルトを持っていません。

2023年11月4日、初防衛戦で鈴木千裕に1ラウンド1分28秒でKO負けし、王座を失いました。そのあとは2勝2敗で、直近の2025年12月31日はクレベル・コイケに判定0-3で敗れています。9月10日は、その負けのあと初めての試合になります。

なお、フェザー級(66kg)に階級を下げてからの選手です。もともとはライト級(71kg)で戦っていました。

7. デビュー戦は判定負け。そこから11連勝しています

ケラモフは2012年、20歳でプロデビューしました。そのデビュー戦は判定0-3の負けです。最初の7戦で3敗していますが、その3敗はすべて判定でした。

ところがそこから流れが変わります。2015年10月から2020年2月まで、11連勝。この間にアゼルバイジャン国内から東欧・ロシアの大会へ、さらにベラトールへと舞台を上げていきました。

ちなみに、その11連勝を止めたのが斎藤裕です(2021年6月13日・RIZIN.28で判定1-2)。その斎藤裕も、9月10日にYA-MANと戦います。この大会は、ケラモフにとって「昔の対戦相手が3人もいる」場所になっています。

この試合の見どころを3つに絞ると

  1. 最初の1分。ケラモフは摩嶋一整を28秒、朝倉未来を2分41秒で終わらせています。逆に自分が倒されたのも1ラウンドでした。この選手の試合は、序盤に大きく動くことが多いと見ておくのが自然です。
  2. 判定までもつれたときの強さ。ケラモフの7敗のうち5敗は判定です。長引くほど、点の取り合いになります。高木凌がどこまでラウンドを持ちこたえるかが焦点です。
  3. 寝技を選ぶかどうか。ケラモフは打撃の選手に見えて、一本勝ちが9回あります。そのうち7回は首を絞める技です。組んだときこそ危ない相手です。

この記事で使った出どころ

  • Wikipedia日本語版「ヴガール・ケラモフ」の戦績表
  • Sherdog の選手ページ(21勝7敗/KO・TKO 7・一本 9・判定 4・その他 1/敗戦の内訳)
  • RIZIN公式サイトの大会情報

戦績は2026年9月9日時点で、2つ以上の情報源で数字が一致することを確かめたものだけを載せています。