2026年9月10日(木)の超RIZIN.5(京セラドーム大阪)に、“ブラックパンサー”ベイノアが出場します。宇佐美秀メイソンとのオープンフィンガーグローブ・キックボクシング、3分3Rです。

この大会の出場選手のなかで、「この人、誰?」といちばん検索されているのがベイノアだと思います。名前も見た目も日本人ではないのに、日本語でしゃべっている。国籍はどこなのか。強いのか。

先に答えを書きます。アメリカ・カリフォルニア州オークランド生まれの、東京・板橋区育ち。空手は極真、柔道は黒帯。そして本業はキックボクサーです。

30秒でわかる “ブラックパンサー”ベイノア

名前 “ブラックパンサー”ベイノア(本名 ベイ・ノア/Noah Bey)/異名は「極真の黒豹」「一撃ビースト」
生年月日 1995年8月20日(31歳)
国籍・出身 アメリカ国籍。カリフォルニア州オークランド生まれ、東京都板橋区育ち
体格 178cm/リーチ183.5cm
バックボーン 極真空手(黒帯初段・2018年の全日本ウェイト制 軽量級 優勝)と柔道(黒帯初段)
キックの戦績 23戦18勝(9KO)5敗。第2代RISEウェルター級王者、J-NETWORKウェルター級王者
MMAの戦績 10戦6勝4敗(KO 3/判定 3)
直近の試合 2026年6月6日 芳賀ビラル海に2ラウンド10秒、左ハイキックでKO勝ち(RIZIN LANDMARK 14)
ここが一番の特徴 9月10日は1,544日ぶりのキックボクシング。そして相手は、自分をKOした選手の弟です

1. アメリカ生まれですが、格闘技はぜんぶ日本で覚えました

生まれはアメリカのオークランドですが、育ったのは東京の板橋区です。

子どものころは絵を描いたり人形で遊んだりする、家の中で過ごすタイプの子だったそうです。2006年1月、お父さんにすすめられて極真会館に入門します。中学では空手を続けながら柔道部にも入り、板橋区立赤塚第二中学校では生徒会長もつとめました。

つまりこの人は、外国から来た選手ではなく、日本で育った選手です。名鑑の「アメリカ」という表記だけを見ると外国人選手に見えますが、格闘技の土台はすべて日本にあります。

ちなみに極真空手では、2018年の全日本ウェイト制大会・軽量級で優勝しています。

2. 本業はキックボクシング。プロデビューから12連勝しています

ベイノアがキックボクサーとしてプロデビューしたのは2016年5月です。そこから、こうなりました。

できごと
2016年8月 J-NETWORKウェルター級 新人王トーナメント優勝
2017年8月 J-NETWORKウェルター級 王座獲得(藤倉悠作に5R KO勝ち)
2018年11月 第2代RISEウェルター級 王座獲得(渡部太基に5R判定3-0)
2019年3月 タップロンにKO負け。ここまで12連勝でした
2020年2月 RISEウェルター級王座を初防衛
2022年2月 王座を返上し、総合格闘技へ

キックの通算は18勝(うち9つがKO)5敗。日本のキックボクシングで、2つの団体のベルトを巻いた選手です。

3. 9月10日は、1,544日ぶりのキックボクシングです

ベイノアがキックボクシングのルールで戦ったのは、2022年6月19日の「THE MATCH 2022」(和島大海戦)が最後です。

9月10日は、そこから1,544日ぶりになります。4年以上、キックのリングに立っていません。

その間はずっと総合格闘技をやっていました。2023年3月からは、アメリカの名門ジム「アメリカン・キックボクシング・アカデミー(AKA)」で約1年間、総合の練習を積んでいます。

今回は、その本職に戻る試合です。ただしオープンフィンガーグローブ(指の出た薄いグローブ)なので、ふつうのキックより手が軽く、当たれば効きやすいルールです。

4. 半年前と半年後で、同じ「左ハイキック」の立場が入れ替わりました

ここは並べて見ると、はっとします。

試合日 相手 結果
2025年12月31日 雑賀“ヤン坊”達也 2R 0:32 左ハイキックでKO負け
2026年6月6日 芳賀ビラル海 2R 0:10 左ハイキックでKO勝ち

大晦日に左ハイキックで倒され、その半年後に、自分が左ハイキックで倒し返しています。しかも、どちらも2ラウンドが始まってすぐです。

蹴りで試合が終わるタイプの選手だ、ということが、この2試合ではっきり出ています。

5. 相手は、自分をKOした選手の弟です

9月10日の相手、宇佐美秀メイソンには兄がいます。宇佐美正パトリックです。

そしてベイノアは2022年12月31日、RIZIN.40でその兄と戦い、1ラウンド45秒、左フックでKO負けしています。

あれから1,349日。兄に倒された相手が、弟と向き合うという試合です。しかも今回は、ベイノアが得意なキックボクシングのルールで行われます。

ベイノア vs 宇佐美秀メイソン|弟が、兄の倒した相手と戦う

6. お笑いコンビも組んでいます

意外なところでは、ベイノアは「けとるべる」というお笑いコンビでボケを担当しています。相方のあかしさんも極真空手の大会で優勝している人です。

2021年には日本テレビ「1億人の大質問!?笑ってコラえて!」の25周年スペシャルに出演しました。じつは同じ番組の幼稚園の企画に、20年前に園児として出ていたという縁があります。

この試合の見どころを3つに絞ると

  1. 4年ぶりのキックで、体が動くかどうか。総合と違って倒しにいく必要がないぶん、蹴りの回数は増えます。ただ、間隔が空いた選手はリズムを取り戻すのに時間がかかります。
  2. 左ハイキックが出るかどうか。直近のKO勝ちはこれです。オープンフィンガーグローブは手がガードに使いにくいので、蹴りが通りやすくなります。
  3. 兄との差を見せられるか。4年前、兄には45秒で倒されました。弟に対して同じことが起きるのか、逆になるのか。ここがいちばんの見どころです。

この記事で使った出どころ

  • Wikipedia「“ブラックパンサー”ベイノア」(日本語版)の戦績表・経歴
  • RIZIN FIGHTING FEDERATION 公式サイトの試合結果
  • RISE 公式サイトの王座・試合記録

戦績は2026年9月8日時点のものです。キックの通算はプロフィール欄の数字(18勝5敗)を採用しています。