【12月11日】フューリー vs ジョシュアが決定|カーディフ・Netflix。井上尚弥の「次の相手候補」はどうなる
2026年12月11日(金)、イギリス・ウェールズのカーディフにあるプリンシパリティ・スタジアムで、タイソン・フューリー vs アンソニー・ジョシュア——イギリスの元ヘビー級王者どうしの一戦が行われます。9月24日に正式に発表され、Netflixで世界に生配信されます。10年以上「実現しない」と言われ続けてきたカードです。
【2026年9月30日更新】この記事は8月末に、「11月20日にニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで調整中」という報道をもとに書きました。その後、日付と会場が上のとおり正式に決まったため、内容を書き直しています。
ただ、当サイトがこの興行を取り上げてきたのは、メインイベントのためだけではありません。
11月20日案が報じられた段階では、この日のセミファイナルに、井上尚弥が「次の相手候補」として名前を挙げている選手が出るとされていたからです。
そしてもう一つ。そのセミの対戦相手は、去年の9月に名古屋で武居由樹を倒した男でした。ただし12月11日の正式発表では、前座(アンダーカード)は「後日発表」とされていて、この統一戦が同じ日に組まれるかはまだ分かりません。
日本から見ると、この1試合は9月27日の坪井智也とも、2027年の井上尚弥ともつながっています。順番に整理します。
決まったこと・まだ決まっていないこと
| 日時 | 2026年12月11日(金) 日本時間では12日(土)。開始時刻は未発表 |
|---|---|
| 会場 | イギリス・ウェールズ カーディフのプリンシパリティ・スタジアム |
| 配信 | Netflix(世界同時の生配信) |
| メイン | タイソン・フューリー(38歳・英)vs アンソニー・ジョシュア(36歳・英) |
| 前座 | 後日発表。11月20日案のときにセミとして報じられたジェシー・“バム”・ロドリゲス(26歳・米)vs クリスチャン・メディナ(26歳・メキシコ)(WBA・WBO世界バンタム級王座統一戦)は、2026年9月30日時点で日付・会場とも未発表 |
| 決まるまで | 開催地をめぐる交渉に、フューリー陣営が「9月4日(日本時間5日)まで」と期限を切っていた。9月24日に正式発表。9月30日にロンドンで記者会見の予定 |
まずメイン。共通の相手が3人います
フューリーとジョシュアは、まだ一度も戦っていません。ですが同じ相手と戦った記録が3つあります。ここを並べると、2人の性格がよく見えます。
| 共通の相手 | タイソン・フューリー | アンソニー・ジョシュア |
|---|---|---|
| オレクサンドル・ウシク | 2024年5月 12回SD負け 2024年12月 12回判定負け |
2021年9月 12回判定負け 2022年8月 12回SD負け |
| フランシス・ガヌー | 2023年10月 10回スプリット判定勝ち(ダウンを奪われた) | 2024年3月 2回KO勝ち |
| オットー・ウォリン | 2019年9月 12回判定勝ち | 2023年12月 5回終了時 棄権(RTD)勝ち |
読み取れることは3つです。
①ウシクには2人とも勝てていません。合わせて4試合、4敗。しかも4試合とも12ラウンドまで行っています。
②残る2人の共通の相手には、ジョシュアのほうが「速く、はっきり」勝っています。元UFC王者のガヌーを、フューリーはダウンを喫したうえでスプリット判定でしのぎ、ジョシュアは2回でKOしました。ウォリンも、フューリーは12回、ジョシュアは5回で終わらせています。
③ただし、決定的な数字がひとつあります。
| タイソン・フューリー | アンソニー・ジョシュア | |
|---|---|---|
| 年齢 | 38歳(1988年8月12日生) | 36歳(1989年10月15日生) |
| 体格 | 206cm/リーチ216cm | 198cm/リーチ208cm |
| 戦績 | 39戦36勝(25KO)2敗1分 | 34戦30勝(27KO)4敗 |
| KO・TKO負け | 0 | 2(アンディ・ルイスJr/ダニエル・デュボア) |
フューリーは39戦して一度も倒されていません。ジョシュアは倒されたことが2回あります。
「倒す力はジョシュアが上、倒れない力はフューリーが上」。共通の相手3人と負け方を並べると、この試合はそういう構図に見えてきます。
ちなみにこの2人、直近の試合は1日違いでした。フューリーは2026年7月24日にタイ・パタヤでマリウシュ・バフに7回終了時棄権勝ち。ジョシュアは翌7月25日にサウジアラビア・ジェッダでクリスティアン・プレンガに2回KO勝ち。同じ週末に、地球の反対側で、それぞれ勝っています。
決まるまで|「9月4日の期限」から正式発表まで
試合そのものはほぼ合意していたのに、開催地で止まっていました。
- ジョシュア側のプロモーター、エディ・ハーン(マッチルーム)は、契約に含まれているイギリス開催を希望していた
- 資金を出すサウジアラビアのトゥルキ・アラルシク大臣側はニューヨーク開催を主張していた
- ハーン側は、ジョシュアの前の試合の未払い報酬と、これまでの興行でマッチルームに支払われるべき金銭の支払いも求めていて、1週間たっても回答がなかった
この状況に、フューリー陣営のプロモーター、フランク・ウォーレンが記者に「交渉期限は9月4日(日本時間5日)まで」と明かしました。それまでにまとまらなければフューリーは別の相手と戦うとしていて、その相手はすでに用意してあるとも示唆していました。フューリー自身は、アメリカ・フロリダ州マイアミでキャンプを始めていました。
結論は「イギリス開催」でした。9月24日、サウジアラビアのトゥルキ・アラルシク氏が、12月11日にカーディフのプリンシパリティ・スタジアムで開催し、Netflixで配信すると発表しました。興行は同氏のThe RingとUFCのダナ・ホワイト氏が共同で手がけます。
なお、候補地だったマディソン・スクエア・ガーデンは、ジョシュアにとって特別な意味のある場所でした。
2019年6月1日、ジョシュアがアンディ・ルイスJrに7回TKOで敗れ、4本のベルトをすべて失ったのがこの会場です。ボクシング史でも屈指の番狂わせと言われた試合で、ジョシュアにとってはアメリカでの初戦でもありました。ニューヨーク開催が見送られたので、今回ジョシュアがその場所に戻ることはありませんでした。
ここからが本題。セミ候補だった2人が、日本と直接つながっています
ジェシー・“バム”・ロドリゲス=井上尚弥の「次の相手候補」
ジェシー・“バム”・ロドリゲス(26歳・米テキサス州サンアントニオ)は24戦24勝(17KO)無敗の世界3階級制覇王者で、現在のWBA世界バンタム級スーパー王者です。
井上尚弥は2026年7月27日、年内は試合をしないと明言したうえで、次の相手候補としてこのロドリゲスの名前を挙げました。
ただし——ここが今回いちばん重要なところです——井上は同時に「期限」も切っています。
「2月あたりで、できるならやる」
「それより長くなるようなら、バムにそこまでこだわらなくてもいい。自分の道を行く」(報道による)
井上はロドリゲス戦が遅れる場合、フェザー級転向に進む考えを示しています。
一方、ロドリゲスのマネジャー兼トレーナーであるロバート・ガルシアは、井上戦の前にもう1試合やりたいと公言しています。
「あと1試合、それが必要なんだ。そうすれば準備が整う。スピードだけじゃなく、しっかりしたパンチで“バム”を試してくれる相手が要る」(ガルシア)
その「あと1試合」として名前が挙がっているのが、WBO王者クリスチャン・メディナとの統一戦です。ガルシアは9月2日に報じられたインタビューでも、メディナとの統一戦をはさんでから井上戦に向かいたいと話しています。ただし2026年9月30日時点で、日付も会場も発表されていません。
メディナ戦が11月〜12月に組まれたとしても、井上が言う「2月」までは2〜3か月しかありません。ガルシアは「井上は3月より先までは待てないと言っている」とも話しています。統一戦の日付がいつ決まるかが、井上尚弥の2027年の予定にそのまま跳ね返る——この構図は変わっていません。
クリスチャン・メディナ=武居由樹からベルトを奪った男
もう一方のクリスチャン・メディナ(26歳・メキシコ/31戦27勝19KO4敗)は、日本のファンにとっては説明が一行で済みます。
2025年9月、名古屋のIGアリーナで武居由樹を4回TKOで倒し、WBO世界バンタム級王座を奪った選手です。
その後2026年に入って、元IBF世界ライトフライ級王者のエイドリアン・クリエルを12回判定3-0で下し、初防衛にも成功しています。
つまりロドリゲス vs メディナは、「井上尚弥の次の相手候補」と「武居由樹を倒した男」の一騎打ちです。フューリー vs ジョシュアの前座に入るかどうかはまだ分かりませんが、どこで組まれても、日本のボクシングに直結する一戦です。
もう1本、日本につながる線があります
ロドリゲスをめぐる話は、これだけではありません。
ロドリゲスはバンタム級に階級を上げるとき、WBC世界スーパーフライ級の王座を返上しました。そこが空位になったので、1位と2位で決めることになった——それが9月27日の坪井智也 vs リカルド・マラジカでした。結果はマラジカが2-1の判定で勝ち、新しいWBC世界スーパーフライ級王者になっています。
さらに細かいところを見ると、こんな重なり方もしています。
| カルロス・クアドラス(元WBC世界スーパーフライ級王者)と戦った2人 | |
|---|---|
| ジェシー・ロドリゲス | 2022年2月5日 判定勝ち(WBC世界スーパーフライ級王座決定戦/22歳で戴冠) |
| 坪井 智也 | 2025年11月24日 8回2分59秒 TKO勝ち(プロ3戦目) |
同じ相手を、ロドリゲスは判定で、坪井はTKOで下しています。もちろん3年9か月の開きがあるので単純な比較はできませんが、坪井が9月27日に挑んだベルトの「前の持ち主」がロドリゲスで、ロドリゲスがそのベルトを最初に獲ったときの相手がクアドラス——という線はつながっていました。
整理すると、こうなります。
- 9月27日 坪井智也が、ロドリゲスが置いていったベルトに挑んだが、マラジカに判定1-2で負け(記事はこちら)
- 日付未定 そのロドリゲスが、武居由樹を倒したメディナとバンタム級を統一しにいく(ガルシアは11月〜12月初めを希望)
- 2027年2〜3月ごろ 勝てば井上尚弥戦。遅れれば井上はフェザー級へ
まとめ
- フューリー vs ジョシュアは12月11日(日本時間12日)、英カーディフのプリンシパリティ・スタジアムで正式決定。Netflixで配信。開催地でもめて9月4日の期限が切られていたが、イギリス開催に落ち着いた
- 共通の相手3人で比べると、ウシクには2人とも4戦4敗。ガヌーとウォリンにはジョシュアのほうが速く勝っている
- ただしフューリーは39戦してKO負けゼロ、ジョシュアは2回倒されている
- 見送られたMSGは2019年にジョシュアがルイスJrに敗れて全ベルトを失った場所
- 11月20日案でセミとされたジェシー・“バム”・ロドリゲス vs クリスチャン・メディナのバンタム級王座統一戦は、日付・会場とも未発表(前座は後日発表)
- ロドリゲスは井上尚弥の次戦候補。井上は「2月あたりまで」と期限を切り、遅れればフェザー級へ進むとしている
- メディナは2025年9月に名古屋で武居由樹を4回TKOで倒した選手
- ロドリゲスが返上したベルトは、9月27日にマラジカが坪井智也に判定2-1で勝って獲った
今後の日程は試合予定、現在の世界王者はボクシング世界王者一覧にまとめています。
選手のプロフィール
この記事に出てくる選手の戦績・経歴は、選手名鑑にまとめています。
- タイソン・フューリー
- アンソニー・ジョシュア
- ジェシー・“バム”・ロドリゲス
- クリスチャン・メディナ
- 井上 尚弥
- 坪井 智也
この記事の出典
- 正式発表(12月11日・カーディフ・Netflix):Fightnews.com 2026年9月24日
- 11月20日案・交渉の状況・セミファイナルの案:BOXING MASTER 2026年8月27日
- 9月4日の期限(フランク・ウォーレンの話):Yardbarker
- 井上尚弥の発言:Boxing News(英)2026年7月27日
- ロバート・ガルシアの発言:The Ring(米)/Boxing News(英)2026年9月2日/Bad Left Hook 2026年8月18日
- フューリー・ジョシュアの戦績:英語版Wikipedia「Tyson Fury」「Anthony Joshua」
- クリスチャン・メディナの戦績・武居由樹戦:中日スポーツ/WOWOW/ボクシングモバイル
- ジェシー・ロドリゲス・坪井智也の戦績:当サイト選手名鑑(出典は各ページに記載)
日程は2026年9月30日時点、戦績は2026年8月28日時点の公開情報にもとづきます(フューリー・ジョシュアの戦績は9月24日の正式発表でも同じ)。前座(アンダーカード)はまだ発表されていません。誤りを見つけられた場合はご指摘ください。
この記事で使った出どころ
出どころのリンク
- Fightnews.com|Tyson Fury vs Anthony Joshua set for Cardiff’s Principality Stadium Friday, 11 December on Netflix(2026年9月24日の正式発表(12月11日・カーディフのプリンシパリティ・スタジアム・Netflixで配信・前座は後日発表・9月30日ロンドンで記者会見))
- BOXING MASTER|タイソン・フューリー vs アンソニー・ジョシュア 11月20日ニューヨーク開催(当初報じられた11月20日(日本時間21日)マディソン・スクエア・ガーデン開催の計画/英国開催の契約とサウジ側・Netflixのニューヨーク開催主張の対立/フューリー36勝(25KO)2敗1分・ジョシュア30勝(27KO)4敗)
- BOXING MASTER|ジェシー・ロドリゲスvsクリスチャン・メディナ 11月20日のフューリーvsジョシュア興業で開催要請(11月20日案でセミとされたロドリゲスvsメディナのWBA・WBOバンタム級統一戦/ハーン側の未払い報酬の支払い要求/ロドリゲス24戦全勝(17KO)・メディナ27勝(19KO)4敗)
- BoxingInsider.com|Tyson Fury Stops Mariusz Wach After Seven Rounds in Pattaya(フューリーの2026年7月24日タイ・パタヤでの7回終了時棄権勝ち)
- Sky Sports|Anthony Joshua knocks out Kristian Prenga after huge scare to move closer to blockbuster showdown with Tyson Fury(ジョシュアのジェッダでのクリスティアン・プレンガへの2回KO勝ち)
- 中日スポーツ|【ボクシング】井上尚弥、年内は試合を行わず 2月にバム戦か、実現しなければ階級を上げる方針を明かす(井上尚弥の2026年7月27日の「年内は試合をしない」方針と「2月あたり」「自分の道を進む」発言)
- The Ring|Garcia Wants Unification Fight For ‘Bam’ Rodriguez Before Inoue(ロバート・ガルシアの「あと1試合」発言とメディナとの統一戦希望/ロドリゲスの3階級制覇)
- 中日スポーツ|王者・武居由樹、4回TKO負けで3度目の防衛はならず【ボクシングWBO世界バンタム級タイトル戦】(メディナの2025年9月・名古屋IGアリーナでの武居由樹への4回TKO勝ちとWBO世界バンタム級王座獲得)
- The Ring|Medina outpoints Curiel to retain WBO bantamweight strap(メディナのエイドリアン・クリエルへの12回判定3-0勝ちと初防衛)
- Yardbarker|Fury Sets Deadline For Joshua Fight Deal(9月4日の交渉期限をフランク・ウォーレンが記者に明かしたこと)
- Boxing News(英)|Naoya Inoue vs Bam Rodriguez ‘will happen’ as trainer sets out plan(2026年9月2日のガルシアの話(メディナとの統一戦をはさんで井上戦へ/井上は3月より先は待てない))
- Bad Left Hook|Robert Garcia says there’s been no movement on a fight with Naoya Inoue(2026年8月18日のガルシアの話(バムの次戦は11月〜12月初めの統一戦))
リンクは2026年9月30日に確認したものです。リンク先の内容はその時点のものです。
この記事に出てくる選手
- ジェシー・“バム”・ロドリゲス バンタム級/WBA スーパー王者(2026年6月〜)
- クリスチャン・メディナ バンタム級/WBO世界王者(武居由樹を破って戴冠)
- アンソニー・ジョシュア ヘビー級/元統一世界王者/2012年ロンドン五輪 金メダル
- タイソン・フューリー ヘビー級/元WBC・WBA・IBF・WBO世界王者
- ダニエル・デュボア ヘビー級/WBO世界ヘビー級王者
- リカルド・マラジカ スーパーフライ級/WBC世界王者(2026年9月27日〜)