【深掘り】ジョナサン・ハガティーとは|秋元皓貴が挑むキック無敗の王者
ハガティーが秋元皓貴に3R 0分42秒TKO勝ちし、3度目の防衛に成功しました。3Rに右ストレートからのヒザ蹴りでダウンを奪い、秋元のセコンドがタオルを投げました。以下は試合前に書いた内容です。
▶ ONE SAMURAI 4の全試合の結果
10月17日(土)、東京・有明アリーナの『ONE SAMURAI 4』。メインイベントで秋元皓貴(あきもと ひろき)の前に立つのが、ONEバンタム級キックボクシング世界王者のジョナサン・ハガティーです。
ロッタンとの2試合で名前を覚えた人もいるかもしれません。ただ、その後に何本のベルトを取り、誰に負け、日本人とどう戦ってきたかまで知っている人は多くないはずです。
この記事では、ONE公式の戦績表にある13試合をもとに、ハガティーがどんな選手なのかを整理します。
- ONEで取ったベルトの数と、その相手
- 3つの負けの中身と、競技ごとの成績
- 日本人との2試合と、秋元との接点
- 「2ラウンドで終わる」予告の読み方
30秒でわかる ハガティー
まずは基本の数字です。年齢と身長、それにONEでの成績を表にまとめました。公称の身長は、挑戦者の秋元と同じ170cmです。2人の違いが出るのは、ここまでの勝ち方と負け方です。
| 名前 | ジョナサン・ハガティー(Jonathan Haggerty) |
|---|---|
| 愛称 | The General(ザ・ジェネラル=将軍) |
| 年齢 | 29歳(1997年2月18日生まれ) |
| 出身 | イギリス(ロンドン近郊のオーピントン) |
| 所属 | Knowlesy Academy/Team Underground |
| 身長 | 170cm |
| 階級 | バンタム級(体重の上限65.8kg) |
| ONEでの戦績 | 13戦10勝3敗(KO・TKO勝ち3) |
| 今の肩書き | ONEバンタム級キックボクシング世界王者(防衛2回) |
年齢と身長、ONEでの戦績はONE公式の選手ページ(10月15日時点)、生年月日と出身地は英語版Wikipediaから取りました。プロ全体の戦績は、ONE公式の記事が24勝5敗、英語版Wikipediaが25勝5敗で食い違うため、ここでは書いていません。
1. 父に習ったムエタイ
ハガティーは、タイの国技ムエタイから格闘技に入った選手です。キックボクシングの王者として秋元を迎えますが、ONEでの13試合のうち10試合はムエタイでした。ここでは、どこから来た選手なのかを短く見ていきます。
7歳で父のもとで始める
ONE公式の選手紹介によると、ハガティーがムエタイを始めたのは7歳のときです。教えたのは、自身も選手だった父親でした。1年後には初めての試合に出ています。弟のフレディ・ハガティーも格闘家です。
21歳でONEデビュー
ONEに初めて出たのは2019年1月、21歳のときでした。インドネシアの大会でジョセフ・ラシリ(イタリア)に判定で勝っています。秋元も同じ2019年1月にONEデビューしていて、2人はいわば同期です。
ONEでの13試合の内訳
| 競技 | 試合数 | 成績 |
|---|---|---|
| ムエタイ(ヒジ打ちあり) | 10 | 7勝3敗 |
| キックボクシング(ヒジ打ちなし) | 3 | 3勝0敗 |
ONE公式の戦績表から数えました。今回の試合はキックボクシングのルールです。ハガティーはONEのキックボクシングでまだ負けていません。
2. ONEで取ったベルト3本
ハガティーの経歴でいちばん目立つのが、ベルトの数です。ONEで3本の世界王座を取り、2023年11月からの約10か月間は、ムエタイとキックボクシングの2つの王座を同時に持っていました。今持っているのは、キックボクシングの1本です。取った順に見ていきます。
| 時期 | 王座 | 相手と決まり方 |
|---|---|---|
| 2019年5月 | フライ級ムエタイ | サムエー(タイ)に5R判定勝ち |
| 2023年4月 | バンタム級ムエタイ | ノンオー(タイ)に1R 2分40秒KO勝ち |
| 2023年11月 | バンタム級キックボクシング | ファブリシオ・アンドラージ(ブラジル)に2R 1分57秒KO勝ち |
伝説の王者2人に勝った
サムエーもノンオーも、ムエタイの本場タイで名前の知られた実力者です。とくにノンオーは、2019年に初代のバンタム級ムエタイ王者になり、何度も防衛してきた王者でした。ハガティーはその王者を1ラウンドで倒しています。
キックの王座はMMA王者から
キックボクシングの王座は、そのとき王者がいない「空位」だったため、新しい王者を決める試合で取りました。相手のアンドラージは、ONEのMMA(総合格闘技)のバンタム級王者です。このベルトは、2022年まで秋元が持っていた王座でもあります。ONE公式の王座の歴史では、秋元が3代目、ハガティーが5代目の王者です。
キック王座の防衛は2回とも判定
キックボクシング王座の防衛戦は、ここまで2回です。2025年2月にカタールでウェイ・ルイ(中国)、2026年4月に有明アリーナで与座優貴に勝ちました。どちらも5ラウンドの判定で、倒し切ってはいません。今回が3度目の防衛戦になります。
3. 3つの負けはすべてムエタイ
ハガティーはONEで3回負けています。相手はロッタンが2回、スーパーレックが1回で、どちらもタイを代表するトップ選手です。そして3つとも、ヒジ打ちのあるムエタイの試合でした。
| 時期 | 相手 | 決まり方 | 失ったもの |
|---|---|---|---|
| 2019年8月 | ロッタン(タイ) | 5R判定負け | フライ級ムエタイ王座 |
| 2020年1月 | ロッタン(タイ) | 3R 2分39秒TKO負け | 王座の奪還ならず |
| 2024年9月 | スーパーレック(タイ) | 1R 49秒KO負け | バンタム級ムエタイ王座 |
倒されて負けた試合が2つある
3敗のうち2つは、途中で止められた負けです。ロッタンとの2戦目は3ラウンドに3度倒されてTKO負け、スーパーレック戦はヒジ打ちで49秒のKO負けでした。打ち合いの中で倒される試合も経験しています。
キックのルールでは負けなし
一方で、ヒジ打ちのないキックボクシングでは3戦3勝です。負けた3試合はどれも、ヒジや首相撲(組んでのヒザ蹴り)があるムエタイで、本場タイのトップ選手が相手でした。今回のルールは、ハガティーが負けていない方です。
負けたあとに勝ちを重ねてきた
ロッタンに2連敗したあとは、内藤大樹らに勝ち、バンタム級で2023年に2本のベルトを取りました。スーパーレックに負けたあとも、キックボクシングの防衛戦を2つ続けて勝っています。
4. 日本人との対戦は2戦2勝
ハガティーはONEで日本人選手と2回戦い、2回とも勝っています。そして今回の秋元とは、これが初めての対戦です。共通の相手を通して見ると、2人の距離感が少し見えてきます。
内藤大樹に判定勝ち(2020年12月)
2020年12月4日、シンガポールの大会で内藤大樹とムエタイで戦い、3ラウンドの判定で勝ちました。海外の格闘技サイトの報道では、1ラウンドと2ラウンドに1回ずつダウンを奪っています。
与座優貴に判定勝ち(2026年4月)
2026年4月29日の『ONE SAMURAI 1』では、有明アリーナで与座優貴を迎えて5ラウンドを戦い、判定3-0で勝ちました。今回と同じ会場、同じキックボクシングの王座戦です。日本のファンの前で勝った経験があります。
秋元とは初対戦。共通の相手は2人
| 共通の相手 | ハガティー | 秋元皓貴 |
|---|---|---|
| ジョセフ・ラシリ | 2019年1月 判定勝ち | 2019年3月 判定負け |
| ウェイ・ルイ | 2025年2月 5R判定勝ち | 判定負けのあと、判定勝ち(1勝1敗) |
ONE公式の2人の戦績表で確かめました。ただ、何年も前の試合も入っているので、この表だけで勝ち負けは決められません。
5. 「2Rで終わる」予告の中身
ハガティーは試合前から強気です。8月31日の東京での会見と、9月のONE公式のインタビューで、秋元について何度も話しています。言葉を並べると、相手を軽く見ているわけではないことも分かります。
8月31日の会見での予告
会見では「秋元選手は常に全力で戦ってくる選手なので、非常に楽しみです」と話したうえで、「この試合は2ラウンドを超えずに終わると予想しています」と予告しました(ONE公式の日本語レポート)。
秋元を高く評価している
9月16日のONE公式の記事では「何年も前から秋元と戦いたかった。たぶん階級で最高の1人だと思ってきた」と話しています。そのうえで「完膚なきまでにやっつける」とも言っています。
アウェーの声援は気にしない
日本で戦うことについては「(地元の声援は)与座の時と同じくらいしか効かない。つまり大して効かない」と答えました。4月に有明で与座に勝った経験が、この強気の土台になっているようです。
6. 強みと課題
ここまでの戦績から、ハガティーの強みと課題を3つずつ整理します。数字はONE公式の戦績表から数えたものです。戦い方の見立ては、試合結果をもとにした当サイトの見方で、ONE公式の評価ではありません。
強み|世界王者を倒し切った攻撃力
- ムエタイでノンオーを1R、キックでアンドラージを2RでKO
- 5ラウンドの試合を何度も戦い切ってきた経験
- キックボクシングのルールでONE負けなし
課題|KO・TKOで負けた試合もある
- ONEの3敗のうち2つがKO・TKO負け(どちらもムエタイ)
- キック王座の防衛戦2つは、どちらも判定勝ち
- ONEでの10勝のうち、7つは判定
秋元とのかみ合わせ
秋元はONEでの13試合がすべて判定で、KO・TKOで止められたことはありません(試合の中でダウンがなかった、という意味ではありません)。一方で、秋元自身もONEではKO・TKO勝ちがありません。ハガティーが予告どおり倒し切るのか、秋元が5ラウンドを戦い抜いて判定に持ち込むのか。ここがこの試合のいちばんの見どころです。
よくある質問
ハガティーは何歳ですか
29歳です。英語版Wikipediaでは1997年2月18日生まれとされています。
どこの国の選手ですか
イギリスの選手です。英語版Wikipediaによると、ロンドン近郊のオーピントンで生まれました。
ONEでの戦績はどれくらいですか
13戦10勝3敗です(ONE公式・10月15日時点)。キックボクシングでは3戦3勝で、3つの負けはすべてムエタイの試合です。
KO負けしたことはありますか
あります。ONEでは2020年1月にロッタンにTKO負け、2024年9月にスーパーレックにKO負けしています。
秋元皓貴と戦ったことはありますか
ありません。今回が初めての対戦です。ラシリとウェイ・ルイという共通の相手が2人います。
日本人に負けたことはありますか
ONEではありません。内藤大樹と与座優貴に、どちらも判定で勝っています。
試合はいつ、どこで見られますか
10月17日(土)、東京・有明アリーナの『ONE SAMURAI 4』のメインイベントです。日本ではU-NEXTが独占ライブ配信します。くわしくは対戦カードの記事にまとめています。
まとめ
- ハガティーはイギリスの29歳。ONEで3本の世界王座を取り、今はキックの王者
- ONEのキックボクシングでは3戦3勝。3つの負けはすべてムエタイ
- 3敗のうち2つはKO・TKO負け(どちらもムエタイ)
- キック王座の防衛戦は2試合とも5ラウンド判定
- 日本人とは2戦2勝。秋元とは初めての対戦
当日は、2ラウンドが終わった時点で秋元が立っているかを見てください。そこで予告が当たったか外れたかが分かります。当サイトの勝敗の見立ては予想記事に書いています。
※戦績・年齢は2026年10月15日時点のものです。計量や当日の変更があれば追記します。
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- 選手名鑑
この記事で使った出どころ
- ONE公式|ジョナサン・ハガティーの選手ページ(年齢・身長・所属・ONEでの13試合の結果と決まり方・競技ごとの成績・ムエタイを始めたきっかけ)
- ONE公式|秋元皓貴の選手ページ(ONEでの全試合が判定であること・共通の相手との結果)
- ONE公式|ONE SAMURAI 4 大会ページ(メインイベント・バンタム級キックボクシング世界タイトルマッチ)
- 英語版Wikipedia|Jonathan Haggerty(生年月日・出身地・各試合の日付・ロッタン再戦で3度倒されたこと)
- 英語版Wikipedia|Nong-O Hama(ノンオーが2019年に初代のバンタム級ムエタイ王者になり、防衛を重ねたこと)
- ONE公式|ロッタンがハガティーにTKO勝ち(2020年1月)(ロッタンとの2戦目の結果)
- The Mix|ハガティーが内藤大樹に勝利(2020年12月)(内藤戦で2度のダウンを奪ったこと)
- ONE公式|ハガティーの特集(10月6日)(ONEデビューが2019年1月・21歳のとき、弟フレディも格闘家)
- ONE公式|バンタム級キックボクシング世界王座の歴史(秋元が3代目、ハガティーが5代目の王者であること)
- ONE公式|ハガティーのインタビュー(9月16日)(「階級で最高の1人」「完膚なきまでにやっつける」「与座の時と同じくらいしか効かない」)
- ONE公式|ONE SAMURAI 3・4 メガプレスカンファレンス事後レポート(9月2日)(「2ラウンドを超えずに終わると予想しています」)
リンクは2026年10月15日に確認したものです。リンク先の内容はその時点のものです。媒体によって食い違った数字は、食い違っていることを書くか、書かないようにしています。