【8月29日】UFC上海 結果一覧|朝倉海が2R 34秒KO、鶴屋怜は1R一本勝ち、メインはソン・ヤドンが番狂わせ
2026年8月29日(土)、中国・上海。UFC「Fight Night: Nurmagomedov vs Song」は日本時間16:00にプレリムが始まり、19:00からメインカードに入りました。全13試合の結果を、決まった順に載せています。
全13試合が終わりました。メインでは地元・上海のソン・ヤドンが、ランキング3位のウマル・ヌルマゴメドフを2R 1分48秒でKO。そして日本の2人は、そろって勝っています。
朝倉海が2ラウンド34秒、KO勝ち。左のハイキックでアオリ・チロンをぐらつかせ、アッパーで倒し、ボディへの膝と連打でレフェリーが止めました。
鶴屋怜も1ラウンド4分14秒、裸絞めで一本勝ち。日本勢は2人とも、判定にいかずに勝っています。
そしてもう1つ、プレリムの7試合を数えて出てきたことがあります。この7試合に出た中国の選手は3人。3人とも負けました。上海の、中国のための大会でです。
朝倉海|2ラウンド34秒。左ハイキックからの一気の畳みかけ
1ラウンドは互角でした。どちらも決め手を欠いたまま終わり、勝負は2ラウンド開始直後です。
左のハイキックがきれいに入り、アオリ・チロンがぐらついた。朝倉はそこを逃さず前に出て、近い距離のアッパーでダウンを奪い、ボディへの膝、そして連打。開始34秒でレフェリーが止めました。
大きいのは階級を上げてからの中身です。朝倉はUFCではフライ級で2連敗(パントージャに世界戦、ティム・エリオットにギロチン)していましたが、バンタム級に上げてからは2戦2勝で、2つともKO。5月30日のマカオではキャメロン・スモザーマンを1R 1:50でKOしています。UFC通算は2勝2敗になりました。
相手のアオリ・チロンは、そのマカオ大会でコーディ・ハドンに2ラウンド2分11秒でTKO負けした側です(ボディへの膝+パンチ)。今日も、膝と連打で止められたことになります。今日の13試合のうち6試合にマカオ組が出ていましたが、カードの位置が上がったのはこのアオリ・チロン1人だけでした。その理由が「相手が朝倉海だから」という一戦の結末が、これです(→2人が同じマカオ大会にいた話はこちら)。
▶ この試合だけの詳しい記事:【8月29日】朝倉海が2R 34秒でKO勝ち|試合の詳報
プレリムの結果(日本時間16:00〜/全7試合が決着)
行われた順に並べています。
| 階級 | 勝者 | 敗者 | 決まり手 |
|---|---|---|---|
| ウェルター級 | キャム・ネルソン | ディン・モン(中国) | 判定3-0(29-28/29-28/29-28) |
| 女子ストロー級 | ジュリア・ポラストリ | シォン・ジンナン(中国) | 1R 3:06 KO(ハイキック) |
| バンタム級 | ヘクター・サンティアゴ | ローレンス・ルイ | 2R 0:53 KO(パンチ) |
| バンタム級 | フランチェスコ・ヌッツィ | 肖龍(シャオ・ロン)(中国) | 1R 1:00 TKO(パンチ) |
| フェザー級 | ショーン・ウッドソン | ジャック・ジェンキンス | 判定2-1(29-28/28-29/29-28) |
| フライ級 | 鶴屋怜(日本) | ケビン・ボルハス | 1R 4:14 一本(裸絞め) |
| キャッチウェイト | アンドレ・リマ | ナムスライ・バトバヤル | 3R 3:03 一本(ギロチンチョーク) |
鶴屋怜|3か月で2度目の、1ラウンド一本勝ち
内容は一方的でした。開始1分とかからずにテイクダウン、そこから上で削り続け、ボルハスが立ち上がったところですぐ背中を取って、また倒す。そのまま裸絞めで4分14秒。
相手のケビン・ボルハス(ペルー)は11勝のうち8つがKO・TKOという打撃の選手です。その相手に、打ち合いの時間をほとんど与えないまま終わらせたという試合でした。
鶴屋は24歳、13戦12勝1敗(UFCでは4戦3勝1敗)。12勝のうち10がフィニッシュです。5月30日のUFCマカオでも1ラウンド3分19秒で一本勝ちしており、今年の2試合はどちらも1ラウンドで極めて終わり。しかも2大会続けて、中国での勝利になりました。
UFC公式もこの試合を「今年2度目の圧倒的な内容」と書いています。ただしUFCフライ級のトップ15入りはまだで、ランキングの更新は週明けの火曜です。
上海なのに、中国勢はプレリムで3人とも負けた
ここが今日のプレリムのいちばん大きな話です。
- ディン・モン 判定で0-3(3人のジャッジ全員が相手)
- シォン・ジンナン 1R 3:06 ハイキック1発でKO負け
- 肖龍 1R 1:00 ちょうど1分でTKO負け
3人とも負けただけでなく、2人はKO・TKOで、しかも1ラウンド。とくにシォン・ジンナンは元ONEの女子ストロー級王者で、中国MMAの看板といっていい選手です。
そしてこの2人には、もう1つ共通点があります。シォン・ジンナンとディン・モンは、3か月前の5月30日・UFCマカオでも負けている。中国で開かれた2大会に続けて出て、2大会とも黒星、ということになります。
UFCは中国で大会を増やしていますが、「地元の大会を地元の選手が勝って盛り上げる」形には、まだなっていない——プレリムに限れば、そう見える7試合でした。この日の大会がどれだけマカオの続きになっているかは、【8月29日】UFC上海は3か月前のマカオの続きにまとめています。
7試合中5試合がフィニッシュ。判定は2つだけ
決着の内訳はKO 2/TKO 1/一本 2/判定 2。7試合中5試合が、判定にいかずに終わりました。
しかも決まった時間が早い。1R 1:00/1R 3:06/1R 4:14/2R 0:53と、5つのフィニッシュのうち4つが2ラウンド開始1分以内に終わっています。長引いたのは最後のアンドレ・リマ(3R 3:03)だけでした。
メインカードの結果(日本時間19:00〜/全6試合)
朝倉海はメインカードの3試合目でした。
| 順 | 階級 | カード | 結果 |
|---|---|---|---|
| メイン | バンタム級 | ウマル・ヌルマゴメドフ vs ソン・ヤドン | ソン・ヤドンが2R 1:48 KO(右アッパー) |
| コメイン | 女子ストロー級 | ヤン・シャオナン vs デニス・ゴメス | ゴメスが1R 4:49 KO(肘+パンチ) |
| 3 | バンタム級 | 朝倉海 vs アオリ・チロン | 朝倉海が2R 0:34 KO(ハイキック+パンチ) |
| 4 | フライ級 | スー・ムダルジ vs アレックス・ペレス | スー・ムダルジが判定3-0(29-28×3) |
| 5 | ライトヘビー級 | リウ・ツェ vs レヴィ・ロドリゲスJr. | リウ・ツェが1R 4:26 KO(右) |
| 6 | フライ級 | ビラル・ハサン vs ニルソン・ロハス | ハサンが2R 2:28 KO(右) |
メインカードは6試合中5試合がKO決着。判定にいったのはスー・ムダルジ vs アレックス・ペレスの1つだけでした。
メインを取ったのは地元のソン・ヤドン。プレリムで沈んだ中国勢が、いちばん大きい1つを持っていった
この日いちばんの結果はメインイベントです。ソン・ヤドンがウマル・ヌルマゴメドフを2ラウンド1分48秒、右のアッパーでKO。
UFCのランキングではウマルが3位、ソンが6位。しかもウマルは、バンタム級のタイトルマッチを経験している選手です。下の順位の側が、地元・上海で、倒して終わらせたことになります。
ここに、この日の全体の形が出ています。
- プレリムに出た中国の選手は3人とも負け
- メインカードに出た中国の選手は5人中3人が勝ち(リウ・ツェ/スー・ムダルジ/ソン・ヤドン)
- 合計すると中国勢は8人が出て3勝5敗。ただしその3勝のうち1つが、この日のメインイベント
数だけ見れば負け越しです。ただいちばん大きい1つを地元が取って締めた——そういう大会になりました。
コメインでも番狂わせ。中国の看板が1ラウンドで倒れた
コメインの女子ストロー級では、デニス・ゴメスがヤン・シャオナンを1ラウンド4分49秒でKOしました。肘で倒してから、パンチという決着です。
ヤン・シャオナンは元世界王座挑戦者で、中国の女子MMAの看板といえる選手です。結果としてこの日にKO・TKOで負けた中国の選手は4人(シォン・ジンナン/肖龍/アオリ・チロン/ヤン・シャオナン)になりました。倒した側にも倒された側にも中国の選手がいた一日です。
全13試合を通すと、判定はたった3つだった
| 決着のしかた | 試合数 |
|---|---|
| KO・TKO | 8 |
| 一本(サブミッション) | 2 |
| 判定 | 3 |
13試合中10試合がフィニッシュ。そのうち8つがKO・TKOです。判定にいったのは、ショーン・ウッドソン/キャム・ネルソン/スー・ムダルジの3試合だけでした。
ボーナス|今回から仕組みが変わっている
UFCはParamountとの新しい放映契約に合わせて、ボーナスの出し方そのものを変えています。この日の内訳はこうです。
- ファイト・オブ・ザ・ナイト(各10万ドル)=リウ・ツェ vs レヴィ・ロドリゲスJr.
- パフォーマンス・オブ・ザ・ナイト(各10万ドル)=ソン・ヤドン/ビラル・ハサン
- フィニッシュ・ボーナス(2万5000ドル)=上の10万ドルに入らなかった選手のうち、フィニッシュで勝った全員
つまり朝倉海と鶴屋怜も、2万5000ドルのフィニッシュ・ボーナスを受け取っています。以前は「1大会に4人だけ、各5万ドル」でしたが、いまは倒せば全員に出る形になりました。
ただし足し算はされません。10万ドルを取った選手に2万5000ドルが上乗せされることはなく、高いほうだけが支払われます。この日の10万ドルは4人で計40万ドル。旧制度の枠(4人×5万ドル=20万ドル)のちょうど倍です。
朝倉海の試合だけを詳しく見た記事は別にあります→【8月29日】朝倉海が2R 34秒でKO勝ち|UFCの4戦は「負けは2つとも一本、勝ちは2つともKO」で割れた
関連ページ
結果はUFC公式(jp.ufc.com)の速報ページで確認。UFC公式が最後まで掲載していなかったコメイン(ヤン・シャオナン vs デニス・ゴメス)とボーナスは、英語版Wikipediaのイベント記録に加え、Yahoo Sports・MMA Mania・Forbes の記述が一致することを確認しました。全13試合そろった最終版=2026年8月30日。