9月12日『ONE SAMURAI 3』のセミファイナルで、元ONEフライ級世界王者の若松佑弥と戦うのが、南アフリカのウィリー・ファン・ローエンです。

23歳。プロ8勝1敗。日本での知名度はほぼゼロですが、調べていくうちに、ただの「無名の若手」ではないことが分かってきました。彼がつけられた唯一の1敗が、若松から世界王座を奪った相手と同じだったからです。

この記事では、ファン・ローエンがどんな選手で、「白いライオン」という異名がどこから来て、その1敗が今夜の試合にどう関わるのかを整理します。名前を知らないまま見るより、はるかに面白くなるはずです。

30秒でわかるファン・ローエン

30秒でわかるファン・ローエン

まず、押さえておきたいところだけ先に並べます。南アフリカの首都プレトリア出身で、アフリカ最大の格闘技団体でチャンピオンになってからONEに来た選手です。キャリアはまだ3年。それでいて、負けはたった1つしかありません。

基本のプロフィール

年齢 23歳
出身 南アフリカ・プレトリア
異名 White Lion(白いライオン)
所属 A-Team Stars
プロデビュー 2023年9月
戦績 8勝1敗(フィニッシュ率75%)
主なタイトル EFC(南アフリカ)フライ級王者

キャリアがまだ3年しかない

プロデビューが2023年9月です。つまりプロになって丸3年で、すでにアフリカのベルトを巻き、ONEのリングに立っていることになります。8勝のうち6勝がKOか一本で、倒して勝つタイプです。

計量はきっちり作ってきた

今回の前日計量では5人が失格になる異常事態でしたが、ファン・ローエンは61.1kgで一発通過。ハイドレーションテストも1.0244で問題ありませんでした。若松佑弥は1回目のハイドレーションが規定を超えて、2回目で通しています。

「白いライオン」という異名の由来

白いライオンという異名の由来

格闘家の異名は、強そうな言葉を後からつけただけ、ということもよくあります。でもこの異名には、はっきりした出来事がありました。ONEの取材で本人が明かしています。しかも、その内容が今夜の試合にそのまま重なるところが面白いところです。

倒されたところから始まった

アマチュア時代の試合。1ラウンドの終わりに、彼は相手にダウンを奪われます。そのまま上から殴られ、誰が見ても負ける流れでした。

ところが2ラウンド、逆に押し返してTKO勝ち。完全にひっくり返しています。

コーチの一言

その試合のあと、コーチがこう言いました。「お前は心に白いライオンの心を持っている」。以来、彼は「White Lion」と呼ばれるようになりました。

強いから白いライオンなのではなく、倒されたあとに立ったから白いライオンになった。

南アフリカに実在する

ホワイトライオンは作り話の動物ではありません。南アフリカに実際に生息している、白い毛を持つライオンです。自国の象徴を背負った異名、ということになります。

EFCで何をやってきたか

EFCで何をやってきたか

ファン・ローエンが名前を上げたのはEFCという団体です。日本ではまず報じられませんが、アフリカで最大規模の総合格闘技団体で、南アフリカを中心に長く続いています。ここでの2試合が、彼の実力をいちばん分かりやすく示しています。

37秒で王者になった

2025年5月、EFCのフライ級王座に挑戦。決着は37秒でした。突き刺すような右ストレート一発で相手を倒し、ベルトを巻いています。

3か月後は絞めて防衛

そして同じ年の8月、初防衛戦。今度は打撃ではなく、リアネイキドチョーク(裸絞め)で一本勝ちしました。

ここが大事なところです。37秒でKOする力と、相手を絞め落とす技術。倒し方が1種類ではありません。ONEは彼を「2度のEFCフライ級王者」と紹介しています。

それでもONEでは1勝1敗

2025年11月、ONE Fight Night 37でONEデビュー。ここで初黒星を喫します。そして2026年3月、ONE Fight Night 41でフィリピンのベテラン、ジェレミー・ミアドを3ラウンドTKOで倒し、ONE初勝利を挙げました。

唯一の負けが若松と重なる

唯一の負けが若松と重なる

ここからが、この試合のいちばん面白い部分です。ファン・ローエンの唯一の1敗と、若松佑弥がベルトを失った試合には、同じ名前が出てきます。アヴァズベク・ホルミルザエフ。現在のONEフライ級世界王者です。

ファン・ローエンは1ラウンドで極められた

2025年11月7日、ONE Fight Night 37。無敗だったファン・ローエンは序盤に前へ出ますが、もつれたところから1ラウンド3分52秒、腕十字で一本負け。これが彼の唯一の黒星です。

若松は2ラウンドで失神した

その5か月後の2026年4月29日、『ONE SAMURAI 1』。王者だった若松佑弥は、同じホルミルザエフの回転ヒジ打ちを受けて2ラウンドTKO負け。意識を失って、ベルトを手放しました。

同じ男に、正反対のやられ方をした

選手 いつ 負け方
ファン・ローエン 2025年11月 1回3分52秒 腕十字で一本(寝技)
若松佑弥 2026年4月 2回4分53秒 回転ヒジでTKO(打撃)

つまり今夜の試合は、同じ相手に寝技で極められた男と、打撃で倒された男の対戦です。お互いの弱点が、はっきり記録に残っている。こういう組み合わせは、そう多くありません。

若松佑弥戦の見どころ

若松佑弥戦の見どころ

では、どこを見ればいいのか。答えは単純です。お互いが、自分の壊れた場所を直してきたかどうか。それだけを見れば、この試合は最後まで面白く見られます。3つに分けて書きます。

寝技の穴は埋まったか

ファン・ローエンの1敗は寝技でつきました。若松佑弥は組みも使える選手です。もし若松が早い時間に組みに行って、そこで動きが止まるなら、前回と同じ絵になります。逆にそこをしのげば、彼は課題を克服したことになります。

立ち技のKO力をどう出すか

一方でファン・ローエンは37秒でKOできる右を持っています。若松は前の試合で意識を失うKO負けをしたばかり。5か月ぶりのリングで、真正面から打ち合いに行けるのかどうか。ここが今夜いちばん怖いところです。

本人は「どちらかが倒す」と言っている

ファン・ローエンはONEの会見でこう話しています。「ハイペースな試合になると思います。どちらかがフィニッシュする展開になるでしょう」。一方の若松も「1分1秒でも早く倒しにいく」と話していて、両者とも判定を見ていません。

格闘録の予想はこちらの記事にまとめています。

よくある質問

ファン・ローエンについてのよくある質問

検索でよく調べられている点に短く答えます。名前の表記ゆれが多い選手なので、そこも含めてまとめました。

ファン・ローエンは何者ですか

南アフリカ・プレトリア出身の23歳の総合格闘家です。アフリカ最大の団体EFCのフライ級王者で、プロ戦績は8勝1敗です。

「White Lion」はどういう意味ですか

白いライオンという意味です。アマチュア時代にダウンから逆転勝ちした試合のあと、コーチが「白いライオンの心を持っている」と評したことが由来です。

唯一の負けはどんな試合でしたか

2025年11月のONEデビュー戦で、現ONEフライ級王者アヴァズベク・ホルミルザエフに1ラウンド3分52秒、腕十字で一本負けしています。

若松佑弥との試合は何試合目ですか

第9試合(セミファイナル)です。9月12日17時30分開始の大会で、U-NEXTの独占配信になります。

計量はクリアしましたか

クリアしています。61.1kgで、ハイドレーションテストも1.0244で通過しました。この大会では5人が失格になりましたが、その中には入っていません。

まとめ

ファン・ローエン まとめ
  • 南アフリカ・プレトリアの23歳。プロ3年で8勝1敗
  • 異名は「白いライオン」。ダウンから逆転した試合が由来
  • EFCのフライ級王座を37秒のKOで獲り、次は絞めて防衛した
  • 唯一の1敗は、若松からベルトを奪ったホルミルザエフに腕十字で極められたもの

失うものがない23歳と、取り返しに来た31歳。見る前にこの1敗の中身だけ覚えておけば、今夜のセミファイナルは何倍も濃く見えます。9月12日17時30分開始、U-NEXTで配信されます。

あわせて読みたい

※戦績・計量結果は2026年9月12日朝の時点で公表されている情報にもとづきます。