2026年9月21日(月・祝)、東京たま未来メッセ。佐々木尽 vs セムジュ・デビッド――「Lemino BOXING PHOENIX BATTLE 161」のメインイベントです。

会場は佐々木の地元・八王子。しかも、この10回戦には日本王座・OPBF東洋太平洋王座・WBOアジアパシフィック王座という3本のベルトが同時に懸かっています。勝ったほうが、日本のウェルター級をひとりで束ねることになります。

30秒でわかる9月21日

  • Leminoプレミアムで独占生配信13:00開始(開場12:00)。月額1,540円(Web登録の場合)の有料配信で、地上波の放送はありません
  • 全6試合。メインの佐々木尽 vs セムジュ・デビッドは最後です
  • 懸かるベルトは3本。佐々木がOPBF王者、セムジュが日本王者とWBOアジアパシフィック王者
  • 佐々木尽は24戦21勝(18KO)2敗1分。KO率75%。日本のベルトを巻いたことは一度もありません
  • セムジュ・デビッドはウガンダ出身の東京五輪代表。日本王座を4度防衛している33歳
  • 前日20日(日)13:00から公開計量が無料で見られます

選手のくわしい経歴は選手名鑑にまとめています。

1.試合順とアンダーカード|全6試合、メインは最後

主催の八王子中屋ボクシングジムが発表している6試合です。主催者は「第1試合」「第2試合」という番号を公表していません。下の並びは、発表資料がメインから順に並べてあるのを、当サイトが「ラウンド数の少ない試合から始まる」という通常の進行に合わせて逆にしたものです。当日の並びが入れ替わる可能性は残ります。

順番(当サイトの整理) 階級・ラウンド 対戦カード
1つ目 スーパーフェザー級 4回戦 門岡健人(八王子中屋)vs 岡田幹太(FLARE山上)
2つ目 バンタム級 6回戦 臼井春樹(八王子中屋)vs 堀江尭斗(FLARE山上)
3つ目 日本ユース・ライトフライ級タイトルマッチ 8回戦 末國龍汰(ライオンズ)vs 細川弦汰(駿河)
4つ目 日本ユース・ミドル級 初代王座決定戦 8回戦 佐々木革(八王子中屋)vs 盛合竜也(ワタナベ)
5つ目(セミ) 日本ユース・ウェルター級 王座決定戦 8回戦 石井竜虎(渡嘉敷)vs 福永啄巳(青木)
6つ目(メイン) 日本・OPBF・WBO-AP ウェルター級3冠統一戦 10回戦 佐々木尽(八王子中屋)vs セムジュ・デビッド(中日)

メインの開始時刻は、主催者から発表されていません。東京たま未来メッセのイベント情報では、9月21日の利用時間は13:00〜18:00。ここから逆算するとメインのゴングは16時台から17時台とみられますが、これは当サイトの推定です。前の5試合がKOで早く終われば大きく前倒しになります。メインだけ見たい人も、15時台には配信を開いておくのが安全です。

ユースのベルトが3本も動くのが、この日のもうひとつの特徴です。八王子中屋ジムからは、メインの佐々木尽を含めて3人が出場します。4つ目に登場する佐々木革は、同じジムの選手です。

2.この試合の意味|勝てば「日本・東洋太平洋・アジア」を1人で持つ

3冠統一戦と言われてもピンと来ない、という人のために、いま誰がどのベルトを持っているかを先に整理します。3本のうち2本をセムジュが、1本を佐々木が持っているという形です。

ベルト いまの王者 範囲
日本ウェルター級王座 セムジュ・デビッド(4度防衛) 日本国内
OPBF東洋太平洋ウェルター級王座 佐々木尽(2026年5月2日に獲得) 東洋太平洋
WBOアジアパシフィック・ウェルター級王座 セムジュ・デビッド(1度防衛) WBOのアジア太平洋地域

佐々木にとってはOPBF王座の初防衛戦であり、同時に日本王座とWBOアジアパシフィック王座への挑戦でもあります。セムジュにとっては日本王座5度目の防衛戦であり、WBOアジアパシフィック王座2度目の防衛戦です。

そしてもうひとつ。佐々木尽は、日本王座を巻いたことが一度もありません。プロ8年目、24戦を戦って、獲ってきたのは日本ユース王座・WBOアジアパシフィック王座・OPBF王座。日本のベルトだけ手元にないまま、先に世界へ挑戦した選手です。

ひとつ補足があります。2021年10月19日に日本スーパーライト級とWBOアジアパシフィックの王座決定戦に出てはいるのですが、このとき計量に失格したのは佐々木のほうでした。リミットを1.8kg超過して王座を獲る資格を失い、「相手の平岡アンディが勝った場合だけベルトが動く」という変則ルールで戦って敗れています。つまり日本のベルトを実際に獲れる状態で戦うのは、25歳にして今回が初めてということになります。

WBOは2026年8月2日(日本時間3日)に発表したランキングで、佐々木を世界ウェルター級15位に戻しました(その後の更新で14位としている資料もあります)。世界戦で失ったランキングを取り戻した直後の一戦、という位置づけになります。

3.佐々木尽|24戦21勝18KO、世界挑戦から1年3か月

佐々木尽は2001年7月28日生まれの25歳。八王子市出身で、八王子中屋ボクシングジム所属です。身長174cm、リーチ176cm。24戦21勝(18KO)2敗1分でKO率75%という、はっきりした強打者です。

2026年5月2日 田中空に10回2-1判定勝ち(東京ドーム)※OPBF東洋太平洋王座を獲得
2026年2月19日 マーロン・パニアモーガンに2回1分21秒TKO勝ち
2025年6月19日 ブライアン・ノーマンJr.に5回46秒KO負け(東京・大田区総合体育館)※WBO世界ウェルター級タイトルマッチ
2025年1月24日 坂井祥紀に12回3-0判定勝ち(WBOアジアパシフィック5度目の防衛・OPBF2度目の防衛)

2025年6月19日の世界初挑戦は、5回46秒でのKO負けでした。そこから8か月あけて再出発し、2026年5月2日には東京ドームで田中空を破ってOPBF王座に返り咲いています。世界戦の敗戦から数えて、9月21日は3試合目です。

くわしい戦績と、本人がラジオで語った中身は佐々木尽の深掘り記事にまとめました。

4.セムジュ・デビッド|ウガンダから来た日本王者

相手のセムジュ・デビッドは1992年11月11日生まれの33歳。ウガンダの首都カンパラ出身で、2021年に開催された東京五輪にウガンダ代表としてミドル級で出場しています(1回戦敗退)。所属は名古屋の中日ボクシングジムです。

プロデビューは2022年4月1日、母国ウガンダ。11戦9勝(5KO)1敗1分と試合数はまだ多くありませんが、そのうち5試合が日本王座戦です。

2026年3月24日 浦嶋将之と10回ドロー(日本王座4度目の防衛・WBO-AP初防衛)
2025年8月21日 野上昂生に8回2分58秒TKO勝ち(後楽園ホール)※WBOアジアパシフィック王座を獲得
2025年3月23日 シーサー皆川に10回3-0判定勝ち(日本王座2度目の防衛)
2024年8月27日 石脇麻生に7回TKO勝ち※日本ウェルター級王座を獲得(第59代)

唯一の黒星は2024年6月8日、カムロンベク・エシュマトフへの8回1-2判定負け。直近の2026年3月24日は浦嶋将之とのドローで、ベルトは保持しています。生い立ちと来日の経緯はセムジュ・デビッドの深掘り記事に書きました。

5.勝負の分かれ目|「速さ」対「位置取り」

この試合の見どころは、はっきりしています。佐々木の一発とスピードが先に当たるのか、それともセムジュが当たらない位置に立ち続けるのか。その一点です。

面白いのは、佐々木本人が相手の強さを「分かりづらい」と表現していることです。9月15日に公開されたCBCラジオの番組動画で、佐々木はセムジュをこう評しました。

「距離感とか位置取りが超うまい」「崩しがうまい選手」「パッと見のスピードはあんまりないので、強さが分かりづらい選手ではあると思います」

そして「最初は分かりづらかった。いろんな人の意見も聞いて、こういう強さがあるんだと確認した」とも話しています。映像を見ただけでは強さが伝わりにくく、周囲の見立てを集めてようやく輪郭がつかめた相手、という意味です。

東日本ボクシング協会の見どころ紹介でも、佐々木は「右ファイター型」、セムジュは「右ボクサーファイター型」と分類され、セムジュはスタミナがあり後半に強いと書かれています。実際、セムジュの日本王座戦5試合のうち3試合が10回まで、1試合が8回途中までもつれています。10回という長さは、佐々木より相手のほうが場数を踏んでいる距離です。

一方の佐々木は、KOについてこう言い切っています。

「もちろんKOじゃないとダメでしょ、ぐらいの気持ち」「お客さんを盛り上げるのがプロだと思う」「自分はKOを見せなきゃいけないキャラだと思ってる」

5月の東京ドームでは判定勝ちに終わり、本人は「お客さんに負けた」と振り返っていました。地元での一戦で、その悔いをどう晴らすかが見どころになります。

6.前日20日から、街ごとお祭りになる

この興行は、当日だけのイベントではありません。会場横の「えきまえテラス」で、9月20日(日)と21日(月・祝)の2日間、入場無料の「満腹チャンピオン祭」が開かれます。どちらも10:00〜16:30です。

  • 公開計量=9月20日(日)13:00〜、東京たま未来メッセ入口の特設スペース。無料で、ふだんは関係者しか入れない前日計量を間近で見られます
  • グルメ22ブース=和牛ステーキ串、爆盛り焼きそば、うなぎ、カレー、メロンパンなど
  • キッズ向け=くじ引き縁日、にじみ染めワークショップ、フェイスペイント、スキルトイ体験
  • JR八王子駅では、佐々木尽の声による駅構内放送も期間限定で流れています

「八王子から世界へ」というのが、この選手とジムの合言葉です。チケットが取れなくても、前日の計量とお祭りはタダで見られます。近くの人は、こちらだけでも足を運ぶ価値があります。

7.よくある質問

Q. 何時から見られますか?
A. Leminoプレミアムの生配信は9月21日13:00からです。メインの佐々木尽 vs セムジュ・デビッドは6試合目=最後で、開始時刻は発表されていません。会場の利用時間が13:00〜18:00なので、16時台から17時台とみられます(当サイトの推定)。

Q. 無料で見られますか?
A. いいえ。Leminoプレミアム(月額1,540円・Web登録の場合)の会員限定の独占生配信です。地上波・BSでの放送予定はありません。配信サービスの一覧は格闘技はどこで見られる?にまとめています。

Q. 何のベルトが懸かっていますか?
A. メインは日本・OPBF東洋太平洋・WBOアジアパシフィックの3本です。さらに前座で日本ユースのベルトが3本動きます(ライトフライ級・ミドル級・ウェルター級)。世界タイトルは懸かっていません。

Q. 会場で見られますか?
A. 東京たま未来メッセ(八王子市旭町13-18/JR八王子駅すぐ)で、開場12:00・開始13:00。チケットはRS席22,000円/S席16,500円/A席11,000円/B席8,800円・6,600円です。主催者は8月時点で「席によっては残数わずか」と告知していました。なおチケット販売ページ側には「12:55開場」と書かれている場合がありますので、入場は余裕をもって向かってください。

Q. なぜ世界戦ではないのですか?
A. 佐々木は2025年6月にWBO世界王者ブライアン・ノーマンJr.に挑戦してKO負けし、世界ランキングから外れました。2026年8月に15位で復帰したばかりです。世界再挑戦の前に、日本とアジアのベルトを束ねて立場を固める――というのが今回の位置づけになります。

Q. 佐々木尽と田中空の東京ドームでの試合と、どう違うのですか?
A. 5月2日の東京ドームはOPBF王座だけを懸けた10回戦で、佐々木が2-1の判定で王座を取り戻しました。今回はベルトが3本に増え、会場が地元八王子になったという違いです。相手も、日本王座を4度守っている選手に変わります。