【深掘り】中村倫也とは何者か|U-23世界王者のレスラーが、1年ぶりに帰ってくる
✅ 結果が出ました(2026年9月29日 追記)
中村倫也はブレイディ・ヒースタンドに2ラウンド4分07秒、裸絞め(リアネイキッドチョーク)で一本負けしました。1ラウンドは中村が蹴りでやや優勢でしたが、2ラウンド終盤にテイクダウンからバックを取られ、残り1分を切ったところでタップ。UFCでの戦績は3勝2敗になりました。
➡ 全12試合の結果と試合の流れ
UFCバンタム級の中村倫也(なかむら・りんや)。
日本時間の2026年9月27日(日)、ラスベガスでブレイディ・ヒースタンドと戦います。約1年1か月ぶりの試合です。
「名前は聞くけど、どんな選手かはよく知らない」という人のために、この記事ではレスリング時代から今回の復帰戦までを、順番にまとめます。
※俳優の中村倫也(なかむら・ともや)さんとは、同じ漢字の別の人です。
30秒でわかる 中村倫也
| 名前 | 中村倫也(なかむら・りんや/Rinya Nakamura) |
|---|---|
| 生年月日 | 1995年3月23日(31歳) |
| 出身 | 埼玉県 |
| 所属 | アメリカン・トップチーム(ATT・アメリカ) |
| 身長・リーチ | 約170cm/約174cm |
| 階級 | バンタム級(約61kg) |
| 戦績 | 10勝1敗(KO・TKO 6/一本 1/判定 3) |
| UFC本戦での戦績 | 3勝1敗(Road to UFCの試合は除く) |
| レスリング | 2017年 U-23世界選手権 優勝 |
| 最新の試合 | 2026年9月27日(日本時間)ブレイディ・ヒースタンドに2ラウンド4分07秒、裸絞めで一本負け |
1. もともとは「五輪をめざしたレスラー」
中村の格闘技の土台は、5歳から始めたレスリングです。
小学生で全国大会を2連覇、中学3年で全国中学生選手権に優勝。専修大学に進んでからも学生のタイトルを取り、2017年にはU-23(23歳以下)の世界選手権で優勝しました。
目標は東京オリンピックでした。ところが2019年、肩に大ケガを負います。その年12月の全日本選手権(65kg級)は準優勝。この階級の東京五輪代表には、のちに金メダルを取る乙黒拓斗が選ばれ、中村の五輪への道は閉じました。
2020年4月、中村はレスリングの引退と、総合格闘技(MMA)への転向を発表します。
2. Road to UFCは「3試合とも1ラウンド」
MMAでのプロデビューは2021年7月の修斗(相手は論田愛空隆)。ここでいきなり2ラウンドのハイキックKOを見せます。
そして名前が一気に広まったのが、アジアの若手がUFCとの契約をかけて戦う「Road to UFC」(ロード・トゥ・UFC)の第1回です。
| 段階 | 相手 | 結果 |
|---|---|---|
| 1回戦 | ググン・グスマン | 1回 3分24秒 一本勝ち(腕がらみ) |
| 準決勝(2022年10月) | 野瀬翔平 | 1回 2分21秒 KO勝ち |
| 決勝(2023年2月) | 風間敏臣 | 1回 33秒 KO勝ち |
3試合とも1ラウンドで決着。決勝はわずか33秒で、UFCとの契約を勝ち取りました。
「レスラーなのに打撃で倒す」。これが中村の一番の特徴です。当サイトの見方では、相手がテイクダウン(倒されること)を警戒して意識が下に向くぶん、打撃が当たりやすくなっているのだと思います。
3. UFCでの4試合
| 日付(日本時間) | 相手 | 結果 |
|---|---|---|
| 2023年8月26日 | ファーニー・ガルシア | 判定3ー0 勝ち |
| 2024年2月18日 | カルロス・ヴェラ(UFC 298) | 判定3ー0 勝ち |
| 2025年1月19日 | ムイン・ガフロフ(UFC 311) | 判定0ー3 負け(初黒星) |
| 2025年8月3日 | ネイサン・フレッチャー | 1回 1分2秒 TKO勝ち |
UFCに上がってからは、2つ続けて判定勝ちでした。1回で倒していたRoad to UFCのころに比べると、相手のレベルが上がって、簡単には終わらなくなったことが分かります。
2024年2月のUFC 298は、もともと今回と同じヒースタンドと戦う予定でした。ヒースタンドのケガで相手がカルロス・ヴェラに替わり、中村は判定で勝っています。
4. 初めての負け、そして62秒の返事
2025年1月のUFC 311。中村はムイン・ガフロフに判定0ー3で敗れ、プロで初めて負けました。
次の試合は2025年8月のネイサン・フレッチャー戦。ここで中村は、三日月蹴り(お腹への蹴り)で相手を崩し、1ラウンド1分2秒でTKO。負けのあとの一戦を、わずか62秒で終わらせました。
三日月蹴りは、もともと空手の技です。当サイトは、「レスラーの中村」から「総合格闘家の中村」へ変わってきていることを感じさせる試合だったと見ています。
5. 空白の1年|肩とひざのケガ
フレッチャー戦のあと、中村は2026年3月(日本時間15日)のラスベガス大会で、ルアン・ラセルダと戦う予定でした。
ところが2026年2月、ひざのケガでこの試合を欠場します。日本の専門メディアは右ひざの内側側副靱帯(ないそくそくふくじんたい)の断裂と伝えました。さらに今回の試合前、本人は海外メディアに「肩の腱も切っていた」と明かしています。
その間、中村はアメリカのATTでリハビリと練習を続けていました。ケガをかばううちに体重が後ろ足に残るクセがつき、前に出る力が弱くなっていた。それを直すところから作り直した、と試合前のインタビューで話しています。
中村はこの一戦を、「レスラー・中村倫也の卒業」と位置づけています。レスリングを捨てるという意味ではなく、MMAの選手として新しく始める最初の試合、という意味だと本人は説明しています。
6. 今回の相手と、どこを見ればいいか
相手のブレイディ・ヒースタンド(27歳・アメリカ)は、8勝2敗(UFC公式の表示は9勝2敗)。UFC本戦では中村と同じ3勝1敗です。
ただしヒースタンドはひざの手術を2回受けて、2年3か月ぶりの試合。ブランクは中村より長く、しかもリーチは中村より約6cm長い選手です。
見どころは3つです。
- ① 最初の1ラウンドの動き=どちらもブランク明け。先に動けたほうが流れを取ります
- ② 中村が組みに行けるか=リーチの差を埋めるには、距離を詰めて組むのが一番の近道です
- ③ 3ラウンドまでもつれたとき=ヒースタンドのUFC3勝は、すべて3ラウンドにもつれてからの勝ちです。中村本人も「長い消耗戦を覚悟している」と話しています
当サイトの見立ては中村が有利。海外のオッズでも中村が大きな本命です。ただし、1年以上のブランクがどう出るかは、実際に試合が始まってみないと分かりません。
▶ 相手のくわしい紹介は ブレイディ・ヒースタンドとは|中村倫也の相手は「2年ぶり」
▶ 何時から・試合順・配信は UFC中村倫也の試合は何時から?全12試合の試合順と配信【9月27日】
よくある質問
中村倫也の読み方は
「なかむら・りんや」です。俳優の中村倫也(ともや)さんとは別の人です。
レスリングではどれくらい強かったのですか
2017年にU-23(23歳以下)の世界選手権で優勝しています。2019年の全日本選手権では準優勝でした。
UFCでの戦績は
UFC本戦では3勝1敗です(2026年9月26日時点。Road to UFCの試合は除く)。プロ全体では10勝1敗で、負けはムイン・ガフロフ戦の1つだけです。
なぜ1年以上試合がなかったのですか
2026年3月の試合を、ひざのケガで欠場したためです。本人は肩の腱も痛めていたと話しています。
今回の試合はどこで見られますか
U-NEXTで、朝6時から全試合が見放題でライブ配信されます。UFC FIGHT PASSでも見られます。
この記事で使った出どころ
- 戦績・身長・リーチ・UFCでの試合:UFC公式 選手ページ
- 2019年全日本選手権の準優勝:博報堂DYメディアパートナーズ(当時の所属先)
- レスリング歴・Road to UFC・MMAデビュー:日本語版Wikipedia「中村倫也 (格闘家)」
- フレッチャー戦の決着:イーファイト/MMAPLANET
- 2026年3月の欠場:ゴング格闘技
- ケガとリハビリ・「レスラーの卒業」:MMAPLANET(2026年9月25日)/Cageside Press(本人の話)
- 今回の大会と計量:UFC日本語公式 大会ページ/UFC日本語公式「公式計量結果」
- オッズ:ClutchPoints(DraftKings・9月25日)
- ヒースタンドの戦績(8勝2敗):Sherdog
情報は2026年9月26日時点のものです。日付は日本時間で書いています。確かめられなかったことは書いていません。誤りを見つけられた場合は、ご指摘いただけると助かります。