2026年9月10日(木)の超RIZIN.5 浪速の超復活祭り(京セラドーム大阪)のメインイベントは、ラジャブアリ・シェイドゥラエフ vs AJ・マッキー。RIZINフェザー級タイトルマッチと、PFL世界フェザー級王座決定戦を兼ねたダブルタイトルマッチです。

この一戦、「無敗の王者に元Bellator王者が挑む」という紹介をよく見かけます。まちがってはいないのですが、2人の勝ち方・負け方を1試合ずつ数えていくと、もっと面白いことが分かります。

シェイドゥラエフは、19試合戦って判定が1度もありません。マッキーは、27試合戦って1度も倒されていません。

数字がきれいに正反対を向いている

まず2人の通算成績です。日本語版Wikipediaと、海外の格闘技データベースSherdogの2つを突き合わせ、数字が完全に一致することを確認しました。

シェイドゥラエフ AJ・マッキー
年齢 25歳(2000年10月11日) 31歳(1995年4月7日)
MMA通算 19戦 19勝0敗 27戦 25勝2敗
KO・TKO勝ち 7(勝ちの37%) 6(勝ちの24%)
一本勝ち 12(勝ちの63%) 8(勝ちの32%)
判定勝ち 0 11(勝ちの44%)
KO・TKO負け 0 0
一本負け 0 0
判定負け 0 2
身長/リーチ 170cm/174cm 178cm/188cm

太字にしたところを並べると、こうなります。

  • シェイドゥラエフの19勝は、全部フィニッシュ(KOか一本)。判定勝ちがゼロ。
  • マッキーの27戦は、負けの2つがどちらも判定。つまり一度もフィニッシュされていない。

「必ず倒す男」と「絶対に倒されない男」が当たる。カードとしてこれ以上ないくらい、かみ合っています。

シェイドゥラエフは、3ラウンド目のゴングを聞いたことがない

「判定勝ちゼロ」を、もう一段だけ細かく見ます。19試合の決着ラウンドを数えると、こうなりました。

  • 1ラウンド決着 13試合
  • 2ラウンド決着 6試合
  • 3ラウンドまでもつれた試合 0

2019年6月のプロデビューから今日まで、この選手は3ラウンド目のゴングを一度も聞いていません。最も長かったのが2023年10月のマゴメド・アル・アブドゥラ戦(2R 3分40秒)です。

RIZINに来てからの7戦も同じで、武田光司・フアン・アーチュレッタ・久保優太・クレベル・コイケ・ビクター・コレスニック・朝倉未来・久保優太(2度目)を、7戦7勝すべてフィニッシュ。うち6つが1ラウンドです。クレベルは1R 1分02秒、コレスニックにいたっては33秒でした。

今回はRIZINフェザー級王座の4度目の防衛戦になります。

マッキーは、27戦して一度もフィニッシュされていない

一方のマッキーは、25勝2敗の2敗がどちらも判定負けです。

  • 2022年4月15日 パトリシオ・ピットブルに判定0-3(Bellator世界フェザー級タイトルマッチ)
  • 2024年10月19日 ポール・ヒューズに判定1-2(PFL・ライト級)

プロ27戦、KO負けゼロ・一本負けゼロ。倒されて終わった試合が1つもありません。

正直に補足しておくと、アマチュア時代には1度だけKO負けがあります(2013年6月、1R 8秒)。ただしプロに上がってからの11年間は、フィニッシュされた試合がありません。

そして戦い方も、シェイドゥラエフとは真逆に動いています。直近4試合は、勝ち負けを問わず全部が3ラウンドフルの判定決着です。

  • 2026年6月27日 サラマット・イスブラエフに判定3-0
  • 2026年3月20日 アダム・ボリッチに判定3-0
  • 2025年7月19日 アクメド・マゴメドフに判定3-0
  • 2024年10月19日 ポール・ヒューズに判定1-2(負け)

マッキーの最後のフィニッシュ勝ちは2024年2月24日(クレイ・コラードに1R 腕ひしぎ十字固め)。そこから2年半、判定でしか試合が終わっていません。

直前の6月のイスブラエフ戦は、10戦無敗・全試合フィニッシュ勝ちだった相手を判定3-0のフルマークで下したものでした。試合後の会見では「俺はベルト統一が大好きなんだ」と、RIZIN王者との対戦をみずからアピールしています。

ここは注意:マッキーは「PFL王者」ではありません

この試合を「2団体の王者どうしの統一戦」と書いている記事がありますが、正確ではありません。

シェイドゥラエフ側はRIZINフェザー級王座の防衛戦。マッキー側は王座決定戦です。PFL世界フェザー級王座はいま空位で、マッキーはベルトを持っていません。マッキーが最後に巻いたベルトは、2021年7月にピットブルから奪ったBellator世界フェザー級王座(2022年4月の再戦で失いました)。

つまり、9月10日に賭けられているベルトは「1本と、まだ誰のものでもない1本」です。勝った方が2本を同時に持ち、それぞれで防衛戦をしていく、というのがRIZINの説明です。

もうひとつ、リーチが14cm違う

身長は170cmと178cmで8cm差ですが、リーチは174cmと188cmで14cm差あります。マッキーはサウスポーで、リーチの長さを使った距離の取り方が持ち味です。

逆にシェイドゥラエフは19勝のうち12が一本勝ちで、レスリングと柔道がバックボーン。組みついて倒して極める形が本線です。「入られる前に止められるか」「入られたあと立てるか」が、そのまま勝敗になります。

ちなみにマッキーのRIZIN参戦は2度目で、1度目は2022年大晦日のRIZIN.40(RIZIN×BELLATOR全面対抗戦の大将戦)。相手はホベルト・サトシ・ソウザで、3ラウンドの判定3-0で勝っています。そのサトシも同じ9月10日に出場します。

この試合の見どころ3つ

  1. 最初の5分。シェイドゥラエフの19勝中13が1ラウンド決着です。ここを越えられるかどうかで、試合の意味が変わります。
  2. 3ラウンド目に入るかどうか。入れば、シェイドゥラエフはキャリアで初めての未知の時間帯。マッキーにとってはいつもの時間帯です。
  3. 「フィニッシュされないマッキー」がどこまで通用するか。27戦倒されていない選手と、19戦全部倒してきた選手。どちらかの記録が、この日に初めて途切れます。

開始は16時です(17時ではありません)

超RIZIN.5は14:00開場/16:00開始です。RIZINが8月2日に変更を発表しました。ただしRIZIN公式サイトの「対戦カード」のページと日本語版Wikipediaは、2026年8月26日時点でも「15:00開場/17:00開演」のままです。そこだけ見ると1時間まちがえます。

くわしくは【9月10日】超RIZIN.5の開始は16時ですにまとめています。視聴方法・PPVの料金はこちらの記事をどうぞ。

選手のプロフィール

この記事に出てくる選手の戦績・経歴は、選手名鑑にまとめています。

選手名鑑(あいうえお順・団体別でさがせます)

試合予定(RIZIN・ボクシング・UFC・ONE のスケジュール一覧)

関連記事

この記事で使った出典

  • RIZIN公式サイト「超RIZIN.5 浪速の超復活祭り」対戦カードのページ/大会情報・チケットのページ(契約体重・ルール・開始時間)
  • Sherdog(両選手の通算戦績と勝敗の内訳)/日本語版Wikipedia(同、および全試合の日付・決まり手・決着ラウンド) ※2つを突き合わせて一致を確認しました
  • 英語版Wikipedia「Rajabali Shaidullaev」(戦績の再確認)
  • ゴング格闘技 2026年7月20日「無敗シェイドゥラエフがAJ・マッキーと『RIZIN&PFLダブルタイトルマッチ!』」(会見の内容、マッキーのコメント、王座決定戦であること)
  • 日本語版Wikipedia「超RIZIN.5 浪速の超復活祭り」(大会概要)

戦績・開始時間は2026年8月26日時点の公開情報にもとづきます。決着ラウンドの内訳は、Wikipediaに載っている全19試合・全27試合の記録をこちらで1試合ずつ数えたものです。誤りを見つけられた場合はご指摘ください。